高齢者介護におけるさまざまな症状と接し方

認知症 周辺症状

 

高齢者の方には、認知症などによって、さまざまな症状や傾向が見られます。

 

当然、その症状の出方によっては、介護者の接し方もいろいろと変わってきます。

 

ここでは、高齢者介護において、それぞれの具体的な症状や対処法、接し方等についてご説明したいと思います。

 

実体験に基づくものがほとんどですので、介護をされている方の手助けになれば幸いです。

認知症 空腹の訴え

高齢者の方で、いつも「空腹」を訴えている人って多いと思いませんか?さっき食べたはずの食事を、食べていないということ等も多いですね。高齢者の人が空腹をいつも訴えるのは、記憶障害や見当識障害と不安感によるものです。いつも空腹だと言い張る高齢者には、上手に対応すると、ご本人を怒らせないでやり過ごせますよ。

「老人のテレビがうるさい!」・・・と困ったことはありませんか?高齢者は、どうしてもテレビの音が大きくなりがちです。こちらでテレビの音量を下げても、すぐに音量を戻したり、注意しても中々治らなかったり、どうすればいいのか困ってしまいますね。今回は、老人のテレビがうるさい時に、揉めないための3つの解決方法をご紹介します。すべて私の実体験を元にお話していますので、ぜひ楽しみにお読みください。老人のテレビが...

人間の耳と同じ働きをしてくれて、音が立体的にキレイに聞こえると大人気の「みみ太郎」。取扱店がどこにあるのか?と探している人も多いかもしれません。結論から言うと、全国各地のメガネ店、補聴器店、電気店などで取り扱われています。ただ、私も近所のメガネ屋さんとか電気屋さんをいくつも探し回ったんですけど、見つかりませんでした。どうやら、全国にあると言ってもそんなにたくさんあるわけじゃないみたいです。私は、実...

みみ太郎を使っても聞こえなかったらどうしょう・・・と不安に思う方もいると思いますが、老人性難聴のウチの母親はバッチリ大丈夫でした。高齢になってテレビの音が聞き取りづらくなった母は、特に高音が聞き取りにくいようで、医者からは老人性難聴と言われました。高齢になると誰でも聴力が衰えますが、母親はショックを受けた様子で、好きだったテレビをあまり見なくなってしまったんです。それで補聴器などを試してみましたが...

高齢者の食事は、どんなところに気をつければ良いのでしょうか?「食事」が健康維持の大きな要素であることは間違いありませんよね。特に高齢者は筋力が低下し、歩行といった日常生活動作が衰える危険性があります。そういった事情があるため筋肉をつける食事をする必要性がある、と言われますが本当でしょうか?今回は、高齢者の食事の注意点、筋肉をつけるメニューが本当に必要なのかについてご紹介します。高齢者の食事の注意点...

高齢者になると嚥下(えんげ)能力、つまり「飲み込む力が衰える」ということはご存じでしょうか?飲み込む力が弱くなると日常生活に支障が出てきたり、事故が起こる危険性もあります。場合によっては命の危機に繋がるかもしれませんよ。今回は、高齢者の飲み込む力が衰える理由、鍛える方法や対処法についてご説明します。

高齢者のお風呂って大変!そう思ったことはありませんか?中々入ってくれないこともありますし、入ってくれても本人の身体の自由が利きづらい状況だと色々と注意が必要なこともありますよね。そこで今回は、高齢者がお風呂に入らない時の対処法や、入ってくれた時の注意をお話します。

高齢者にとって「転倒する」ということには大きなリスクがあり、絶対避けなければいけないことです。では、なぜ、高齢者はそれほどまでに転倒を避けなければいけないのでしょうか?そして、大きなリスクと言っても、具体的にどんなことがあるのかと問われると、思い付かないことも多いと思います。そこで今回は、高齢者の転倒によるリスクと原因。また、それを起こさないための予防やトレーニングの方法についてお話します。

高齢者による万引きが多発している、ということをご存じでしょうか。万引きというと、いわゆる「不良」と呼ばれる学生等がやるイメージですよね。それを大人が・・・しかも年齢を重ねた高齢者がやるというのはイメージが難しいかもしれません。ですが、紛れもない事実なんですよ。今回は、そんな高齢者の万引きの原因や対処法、それに対して家族はどう対応すべきなのかについて詳しくお伝えします。

近年、高齢者ドライバーが引き起こす車の事故がニュースなどで話題に上りますよね。逆走事故、アクセルとブレーキの踏み違い等々・・・まだまだあるでしょう。ところが、そんな状況であるにも関わらず、高齢者が免許を返納しない理由は何でしょう?もしも、身内の高齢者が免許を返納しないと言ったら、家族は困りますし怖いですよね。今回は、高齢者が免許を返納しない理由と、説得するための対処方法をお伝えします。

高齢者が徘徊する理由(原因)は、どんなことにあるのでしょうか?高齢者の親が外出していつまでも帰ってこないと、家族としても心配ですし、何か対策を講じないといけないですよね。今回は、何故徘徊が起こるのか、その理由と原因について詳しくお伝えします。また、もし徘徊が起こった時にどう対応すればいいのか?についてもお話します。

高齢者って怒りやすいと思うことってありませんか?ちょっとしたことで怒られて、理不尽だなと思った経験が私にも何度かあります。もちろん、一括りに高齢者は怒りやすいと結論づけるのは良くないです。しかし、傾向として高齢者は怒りやすいということは確かなんです。じゃあ、その原因はどこにあるのでしょうか?今回は、高齢者がすぐに怒る理由と原因、そして対処法について詳しく解説します。

認知症の人が、夜中いきなり「叫ぶ」という行為におよんだりしたら、家族は対処に困ってしまいますね。いくら認知症だからと言って「助けてー!」と大声で叫ぶなんて、どうでしょう?「あれって虐待じゃないの?」なんて、あらぬ疑いをかけられるかもしれませんよね。さらに、それが毎晩毎晩続くなどということになると、かなり深刻な問題となるでしょう。今回は、認知症の人が大声で叫ぶ理由と、その対策について説明します。

高齢者の中で、歩きながらブツブツと言っている人、買い物中にブツブツと言っている人、時々見かけませんか?高齢者の独り言が多いと、「認知症が始まったか!?」と心配になる家族もいるでしょう。実は、独り言にも問題が有るものと無いものがあります。今回は、認知症と独り言の関係や対処法を説明しましょう。

認知症の方は、日常的に奇声を発したり、夜間だけ奇声を発したりすることがよくあります。奇声とは、奇妙な声や変な声を発することです。昼間ならまだ良いかも知れませんが、夜遅くなって奇声をあげられたら、本当にビックリします。ところで、認知症の方が奇声をあげるのはいったい何故でしょうか?もちろん、原因はいろいろとありますが、今回は二つの側面から認知症の方の奇声について原因を探ってみましょう。

認知症の意欲低下という症状についてご説明します。最近、加齢とともに、出かけるのが面倒、食欲が無い、眠れない、心配ばかりしているという人はいらっしゃませんか?また、初老期のうつ病と診断されて薬を飲んでいても、なかなか良くならないと感じている人もいらっしゃるでしょう。もしかすると、それは「認知症の意欲低下」という周辺症状かも知れません。意欲低下という症状は、早期に正しい診断ができれば、認知症の進行を抑...

認知症の合併症で、てんかんを発症してしまうことがあるということをご存知でしたか?認知症とは、大まかに言うと高齢者の「物忘れが激しい」という症状が一般的だと思いますが、てんかんはどうでしょう?最近では、てんかんによる事故がニュースで取り上げられていることもあります。ですから、てんかんという言葉は耳にしたことはあるけど、実際どんな症状なのかというところまでは知らない、という人が多いのではないでしょうか...

「うちの親は骨折してから認知症になった」と思っている方は、私の周囲を見渡す限りけっこう多いように思います。認知症は、転倒・転落の結果、骨折して生活が不活発(外出しない・他者との交流が減る)になり、発症する場合があります。しかし、逆のパターンで、気がつかないうちに認知症になっていて、そのために転倒したという場合もあるのです。認知症と転倒の原因から、対策を考えましょう。

認知症で思い込みが激しくなるという話をよく聞きます。今までは、ずっと夫婦仲に問題がなかったのに、急に「妻が浮気をしている!」と騒ぎだした高齢の方はいませんか?もしかすると、それは「認知症の初期症状」かもしれません。認知症の思い込みや妄想は、正しく対応しないとますます興奮させてしまいます。では、そんな認知症による思い込みや妄想の原因と対応方法について、ご説明しましょう。

あなたの周りに「お金を盗られた」と騒ぐ高齢者の方はいませんか?それは、「もの盗られ妄想」という認知症の初期に出る「周辺症状」の1つかもしれません。「もの盗られ妄想」は、対応の仕方によっては執着が強くなってしまい、介護が困難になる可能性がありますので注意しましょう。ここでは、認知症の方がお金を盗られたと騒ぐケースについてご説明します。

認知症の人が入浴拒否をすることは、結構多いようです。昔の人は「垢では死なない」と言ったようですが、不潔にしているとやっぱり皮膚トラブルの元になります。また、においが気になると介護者にも負担がかかりますよね。ここでは、認知症の方が入浴拒否をする理由と対処法についてご説明します。

認知症の介護を困難にする要因の1つが、暴言・暴力です。竹ぼうきを持って暴れた男性病院のロビーのガラスを素手で叩き割った男性どちらも私達の施設でお世話することになったケースです。2人とも、警察官に付き添われてやってきました。では、なぜ認知症の方が、このような暴力を起こすのでしょうか?

認知症の人の異食行為をご存知でしょうか?以下は、私が実際に体験した事例です。夕食後、いつまでもクチャクチャと口を動かして噛んでいる患者さんがいました。今日の食事には、そんなに噛み切れない献立は無かったのにと思いながら、患者さんに口を開けてもらったら、ティッシュを噛んでいたということがありました。もう、冷や汗ものです。美味しいものならともかく、なんでティッシュ? と思います。ここでは、そんな認知症の...

認知症の人が同じ話を繰り返すことに、疲れてしまっている方もいらっしゃるでしょう。私自身にも以下のような体験があります。母と出かけた時のこと。「まあ、こんなに高いマンションができちゃって、上のほうに住んでいる人は大変ね。」「古い家は少なくなったね」・・・と私。数十秒後・・・「まあ、こんなに高いマンションができちゃって、上のほうに住んでいる人は大変ね。」「エレベーターがあるから、大丈夫だよ」…と私。数...

認知症の人の運転免許については、かなり社会問題化していると言えるでしょう。自動車に乗って駐車場からバックで急発進して店に突進とか、高速道路の逆走など、認知症のためと思われる交通事故が増えています。一方、自動車を運転しないと、買い物や病院の通院が難しいという高齢の人が多いのも事実です。今回は、認知症と運転免許について考えてみましょう。

認知症の人を自宅で介護することが困難になる理由として、排泄の問題があります。実は、認知症患者が入院した場合、家族の希望としては、「本人がトイレに行ければ家で看たい」という声が多いのです。それほど、排泄の問題は大きいと言えるのです。今回は、認知症の人の尿失禁と、その原因や対策について説明します。

認知症の常同行動についてご説明します。最近食べ物の好みが替わって、同じものばかり食べているという高齢者の人はいませんか?万引きを繰り返している中高年の人はいませんか?もしかしたら、それは認知症の「常同行動」という症状かもしれません。今回は、認知症の常同行動とは、一体何なのかについて説明します。

認知症の人は頑固になる場合が多いのですが、何かの思い込みがとても強くなる状態に「妄想」があります。妄想は、認知症だけの症状ではなく、「統合失調症」などの精神疾患でも見られますので、見極めが必要です。認知症の人が「妄想」にとらわれると、介護が困難になってしまう場合があります。妄想には、もの盗られ妄想・嫉妬妄想・被害妄想・被毒妄想などがあり、どれも介護を困難にします。ただし、接し方を工夫することで乗り...

認知症かも!?と思ったとき、病院に連れて行くにはどうすれば良いのでしょうか?「親の物忘れがひどい」「夫の物忘れが心配」こんな相談を、ネット上の質問サイトでよく見かけます。その際、「認知症の人を病院に連れていくにはどうすれば良いのか?」と迷うことも多いようです。認知症を患う人が増えるというニュースはよく目にしますが、認知症の人や家族の日常生活の様子は、なかなか知られていないので、まだまだ偏見が強いよ...

認知症の薬を、認知症である本人が飲まないというケースがあります。認知症の疑いのある親を、やっとの思いで受診させた。そこで認知症の薬を処方されたのに、どうしても飲まない。こんな経験をした方は、いらっしゃいませんか?認知症の方が薬を飲まない理由は、いろいろあります。ご家族が薬に対して熱心なあまり、「飲まない!」と抵抗する認知症の方と対立してしまう場合もあるようです。今回は、認知症の方が薬を飲まない時の...

「物忘れ=認知症」のように考えられがちですが、誰にでも物忘れはありますし、だからと言って生活に支障をきたすワケではありません。では、どんな物忘れが、認知症の「記憶障害」なのでしょう?まず、アルツハイマー型認知症の場合は、エピソードそのものを忘れます。別の部屋に何かを取りに行って、「必要なモノ」を忘れてしまうのは「健忘」です。認知症の記憶障害は、「何かを取りに行った」ということそのものを忘れて、部屋...

厚生労働省のHPでは、睡眠に悩みを持つ日本人は5人に1人に上るとあります。認知症の周辺症状でも睡眠障害は第1位で、50.8%を占めます。睡眠障害がみられる認知症は、アルツハイマー型認知症64%、レビー小体型認知症88.6%、その他の認知症70%以上となっています。このように、睡眠障害の対策は、認知症の人を介護する上でも大切であることが分かります。睡眠の仕組みはまだ分かっていない事が多いため、睡眠障...

寝言を言うのは認知症の人に限りませんが、認知症の中でも特に「寝言」が問題になるのは、レビー小体型認知症です。普通の寝言は、ゴニョゴニョと何を言っているのかハッキリしない場合が多いですよね。ところが、認知症の寝言は大きな声でハッキリしていて「誰かとしゃべっているのかと思った」「部下を叱りつけているようだった」と、介護者が言うくらいです。今回は、認知症の困った症状である「寝言」の原因や対処方法などを説...

認知症の方を介護しているご家族の労力は大変なものです。なかでも、「うちのおじいちゃん(おばあちゃん)が寝たきりになったらどうしよう?」という寝たきり問題については、介護者であれば誰もが考えたことのある不安な未来像です。では、認知症の方が寝たきりになる原因と何でしょうか。今回は、そんな原因も含め、認知症の方が寝たきりになるというケースについてご説明していきます。

万引きは、「中高生の犯罪」と思われがちですが、高齢者の人口割合が増えるにつれて、高齢者の万引きの件数も増加しています。高齢者が万引きする原因は、経済的な困窮である場合が多く、万引きする品物も食品が多いようです。ところが、認知症の症状で万引きを繰り返すというものがあり、これは「前頭側頭型認知症(ぜんとうそくとうがたにんちしょう)」で見られます。前頭側頭型認知症は、医師の間でも認知度が低く、診断できる...

認知症の人が施設や病院で過ごしているときに問題となるのが、「帰宅願望」です。以前は「夕暮れ症候群」などと呼ばれていましたが、時間はあまり関係ないようで、昼時でも午前中にもあります。ある介護職の人は「ここが家では無いことが分かっているのだから、それが続くように介護するのが私たちの仕事」とも言っていますが。今回は、認知症の「帰宅願望」とどう向き合うかについてお伝えします。

テレビを見ている認知症の人が、画面に向かって話していたり、怒っていたりする場面を見かけたことがある方もいらっしゃるでしょう。認知症の人にテレビを見せると、「脳が活性化する」という意見と、「脳が受け身になってよくない」とする意見があります。果たしてどちらなのでしょうか?どうやら、テレビも「使い様」のようです。今回は、認知症とテレビの関係について説明します。

認知症に併発して起こる病気には、「高齢者てんかん」や「統合失調症」があります。一つずつご説明しましょう。まず、「てんかん」とは、脳の中で過剰な電気信号があちらこちらに出てしまう病気です。幼少時から発症する場合が多いのですが、治療を続けていると成長するに従い治る場合が多い病気です。てんかん発作が起こっている時には、意識を失ったり、手足が震えたりする(けいれん)があります。「統合失調症」は、以前は「精...

認知症の中でも、アルツハイマー型認知症になりやすい「遺伝子型」があることが分かってきました。ところが、その遺伝子を持つ人の全てが「アルツハイマー型認知症」を発症するワケではなく、生活環境の要因が大きいと考えられるようになりました。それは、一卵性の双子でも、2人ともアルツハイマー型認知症を発症する確率が「4割程度」だったからです。また、日本人は欧米人に比べて「アルツハイマー型認知症」の遺伝子要因を持...

認知症の人が、食事をした後に空腹を訴えるという事はよくありますが、反面、食べてくれるのはありがたいことです。なぜなら、認知症の人は体調不良を起こした後に、食事を食べなくなってしまうことも割と多いからです。認知症の人が食べなくなってしまう理由は、空腹を感じにくい、出されたものが食べ物と分からないなどがあります。認知症の人は嗅覚が弱くなってくることが分かっていますが、味覚も感じにくくなってしまうようで...

認知症になると嗅覚が悪くなっていくことがあります。味を感じにくく、食欲が無い。食べ物の腐った臭いが、判断しにくい。このように嗅覚や味覚がおかしい方が身近にいらっしゃいませんか?それは、認知症が始まっているサインかもしれません。認知症の人には、嗅覚障害があることが分かっています。なぜ、認知症になると臭いが分からなくなるのでしょう。今回は、認知症と嗅覚異常の関係についてお伝えします。

認知症の方が食事を食べないというケースがあるのは、何故なのでしょうか?まず最初に、私は月に数回、介護の学校の学生さんに講義をしています。毎回、学生さんたちへの質問は、「認知症のおばあちゃんが、皆さんの作った食事を食べなくなりました。どのような理由が考えられるでしょうか」という内容です。その答えは何通りもあるのです。認知症の方一人ひとりに個性があるように、食事を食べない理由もそれぞれ異なっています。...

認知症であるなしにかかわらず、暑い季節になると、いたるところで脱水症の注意喚起がありますよね。脱水とは、水分や電解質などの体液が著しく不足した状態です。軽度の脱水は、身体の体液が体重の約3~5%減少した状態です。重度の場合は、体重の約10%以上が減少した状態を指します。実は、脱水は暑い季節だけではなく、1年を通して気を付けなければならない症状です。まして認知症の方にとって、脱水は生命の危険を及ぼし...

認知症の弄便(ろうべん)という困った行為についてご説明します。まず、弄便(ろうべん)行為とは、便をいじる行為のことを指します。認知症の人の方向をふと見たら、便を持っていた。また、別も場面では、認知症の人がカベに便を擦り付けていた。認知症の人の弄便(ろうべん)は、介護する人にとっては、非常に衝撃的な出来事です。非日常的と思われるこの行為「弄便(ろうべん)」は、認知症の人を介護する現場では、しばしば見...

認知症による「徘徊」によって、行方不明になる方はとても多いです。NHKの調査によると、「2013年の認知症の人の行方不明者は9,607人に上る」という報道がありました。行方不明の原因は、徘徊して道に迷ってしまい、自宅に帰れなくなるためです。行方不明になった認知症の家族の人は、認知症の人が徘徊するおそれが出てきた時には、いつも認知症の人を気にかけて、服や靴に名前を書くなどの対策をしていたと言っていま...

歩行障害は、認知症の人にはよく見られる症状です。歩行障害を特徴とする認知症には、レビー小体型認知症・慢性硬膜下血種・正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)があります。レビー小体型認知症と慢性硬膜下血種については、このサイトでも説明されていますね。正常圧水頭症の原因については、まだ分かっていませんが、慢性硬膜下血種と同様に、脳外科の手術で治る認知症の1つです。今回は、歩行障害を特徴とする認知症...

認知症の空間認識という障害についてご説明します。「空間認識」とは、三次元の状態を認識すること、物事の全体を見渡せること、とあります。ちなみに、球技のスポーツが得意な人は、「空間認識力」が優れているそうです。認知症の場合は、空間認識の能力が低下するので、自宅でもトイレの場所が分からなくなるという事が起きます。「アルツハイマー型認知症」では、初期から見られる症状ですが、「レビー小体型認知症」でも空間認...

認知症によって平衡感覚が失われるというのは、よく聞く話です。ところで「平衡感覚」という言葉は一般的なようですが、その意味についてはどうでしょうか?平衡感覚とは、体の位置や運動の変化を感知する感覚のことを指します。私たちは、この平衡感覚によって、体の動きを感知して体位やバランスを保っています。では、この「平衡感覚」と認知症には、どのような関係があるのでしょうか。ここでは、認知症と平衡感覚の関係につい...

認知症と難聴にはどのような関係があるのでしょうか?まず、あなたは「耳が遠い」という言葉を使ったことがありますか。耳が遠いとは、耳が聞こえにくい、聴力が低下している状態を表しており、難聴とも言います。加齢とともに、音と関係のある有毛細胞が傷つくと聴力は低下します。加齢を原因とした難聴を「老人性難聴」といいます。老人性難聴は、内耳という耳の奥の部分から聴神経、脳に器質性の病変がある「感音性難聴」に分類...

あなたは、認知症の方と会話をしていて「ああ、またこの話か」と思ったことはありませんか?認知症の方は何度も同じ話をします。同じ話だけではなく、同じ言葉を繰り返すこともあります。あるおじいちゃんは、戦争と満州の話を繰り返します。おじいちゃんはもう何百回も同じ話をなさっているので、聞き手である私は話の内容だけではなく、声の強弱や語尾まで再現できるほどです。では、認知症の方はなぜ同じ話を繰り返すのでしょう...

認知症と痴呆症という言葉の違いは何でしょうか?かつて、私が介護の仕事を始めた頃は、痴呆症という用語を何の違和感もなく使用していました。有名な「源氏物語」にも、「老いしらへる(痴る)」という表現があります。この表現は、痴呆という言葉を連想します。新聞やニュースには、日々「認知症」という言葉が出てきます。そして、「認知症を知り地域をつくる10カ年」のキャンペーンや「認知症サポーターキャラバン事業」の展...

認知症と統合失調症は、間違われることが多いようですが、違いはどこにあるのでしょうか?認知症と統合失調症、それぞれの疾患の症状をご説明します。認知症認知症は誰にも起こる可能性があり、さまざまな病気により、脳の細胞が壊れることによって発症します。加齢によって発症率が高まる(統計によると、85歳以上では4人に1人に認知症の症状があります)知的機能の障害がある記憶障害から始まる理解力、判断力の低下がある早...

認知症の代表的な症状として、「被害妄想」があります。認知症の方の介護をされている方の中で、この被害妄想に頭を悩ませている方は多いと思います。では、認知症の被害妄想による症状とは、どんなものがあるのでしょうか。まず、被害妄想というのは、マイナスのことで現実には絶対にありえないことを脳が現実だと思い込んでしまうことです。本人は現実のことだと思い込んでいるため、そんなことはないといくら説明してもわかって...

認知症の症状の1つに、怒りっぽくなって「キレる」という症状があります。認知症でキレるのは、とても多く見られることで珍しいことでも何でもないのです。初期症状としても見られますが、認知症が進んでしまってからも怒りやすくなる症状は続きます。怒り方はさまざまで、暴言はもちろんのこと、暴力を振るう場合も多いです。ここでは、そんな認知症患者がキレるということについてご説明します。

認知症の方の「易怒性」という言葉をご存知の方もいらっしゃるでしょう。あなたは、身近にいる認知症の方が怒りっぽいなと感じたことはありませんか?高齢になってくると、自分の感情をコントロールしにくくなり、怒りっぽくなったりすることはよくあります。しかしそれとは別に、短い期間で突然人が変わったように怒りっぽくなったりするのは、認知症の初期症状にみられる「易怒性」かもしれません。まずこの「易怒性(いどせい)...

認知症が方がずっとしゃべることについて、あなたはどのように感じていますか?認知症の方が、勢いよく楽しそうにずっとしゃべっているときに、電話が鳴ったり、来客があったりすると、認知症の方は話を止めてしまいます。そこには、仕事だから仕方がない、という諦めがあるようにみえます。認知症の方が場の変化を察して、気持ちよくしゃべっていた時間を中断してくれるのでしょう。そんな時、私は介護職としての力不足を感じます...

認知症の方が無気力になって、ボ~っとしている姿を見かけたことはありませんか?実は、あまり知られていませんが、認知症の初期症状として、無気力になることがあります。無気力とは、何に対してもやる気がなくなってしまったり、熱意が消え失せてしまうといった状態のことを指します。もちろん、一般的にも、やる気が起きない場合に、無気力という言葉はよく使うかと思います。しかし、なぜ認知症の「初期症状」として、無気力が...

一人暮らしの人が認知症になった場合、問題行動が起こるまでは周囲の人に気付かれないことが多いでしょう。認知症は少しずつ進行するので、一人暮らしであっても、初期であればあいさつや買い物は何とかこなせていて、家の外で会うだけなら問題にならないからです。一人暮らしの場合、そのうち認知症が進行すると引きこもりがちになり、ますます認知症にかかっていることが発見されにくくなります。今回は、認知症の人の「一人暮ら...

認知症になった方の服装についての悩みはとても多いです。ふたりのおばあちゃんの服装の話をご紹介します。Mさんの服装の場合Mさんは認知症があり、息子さんと二人で暮らしていました。息子さんが仕事で出かけているときに、お一人で外に出てしまいました。8月の真夏日に、10枚の上着を重ね着しており、汗だくになっていたところを保護されたのです。重ね着していた上着には、ジャンパーやコートが含まれており、Mさんは脱水...

認知症の方が、やたらと物を集めるというケースがあります。たとえば、あるおじいちゃんの家には、使われていないハサミが200本、ロープが100巻もあります。そのおじいちゃんには認知症があり、欲しい物を集めるために毎日ホームセンターで購入しているからです。別のおばあちゃんは、白い紙を集めています。そのおばあちゃんも認知症で物を集めるクセがあり、白い紙をどんどん重ねるため、部屋の半分は白い紙で埋まっていま...

認知症になった方が迷子になる・・・って、本当に大変なことです。気がつくと認知症の方がいない、こんな経験はありませんか。認知症の方がいなくなれば、当然ご家族はあわてて行方を捜すでしょう。そのような場合に、認知症の方は思いがけない場所で発見されることがあります。目的の場所にたどり着けずに迷ってしまった場合、何気なく散歩に出たけれど、自宅の場所が分からなくなってしまった場合など・・・理由はさまざまですが...

認知症患者の中には、食べ物を飲み込まず口に溜め込むというケースがあります。認知症の方が口に溜め込む原因としては、2種類考えられます。一つ目が、本人の意思からくる介護拒否です。二つ目が、飲み込むための機能の低下からくるもの、この2種類です。ここでは、そんな認知症の方が口に溜め込むというケースについてご説明します。

認知症患者が暴力的になり、物を壊すというケースがあります。認知症患者に、その辺にある物を壊すという行動に出られてしまうといろいろと大変です。本人はもちろんのこと、介護者や全く関係ない人を巻き込んでしまう可能性がありますからね。そのため、何とかならないかと頭を悩ませている方もいるかと思います。ここでは、認知症患者が物を壊すという原因は多々ありますので、いくつかご紹介します。

認知症患者が昼夜逆転になってしまい、夜寝てくれなくて困っているなんて話をよく聞きます。介護する人間も夜は眠らなくてはいけませんので、ずっと昼夜逆転されてしまうと本当に大変です。認知症患者に限らず、高齢になってくると眠りが浅くなり、夜なかなか眠れなくなることがあります。では、なぜ昼夜逆転になってしまうのでしょうか?ここでは、認知症の方が昼夜逆転になってしまう原因や対処法についてご説明します。

認知症の「日内変動」という言葉を聞いたことはありますか?日内変動とは、脳にある「体内時計」によってコントロールされている、体温、心拍数、血圧等の値や、覚醒と睡眠のリズムが1日の内で変動することです。認知症の方の日内変動は、認知機能や運動機能に激しい変動がみられます。例を挙げてみましょう。朝は機嫌が良かったおじいちゃんが、昼になると言葉が荒くなり怒りだすあるおばあちゃんは、夕方になると落ち着かなくな...

認知症で金銭管理が出来なくなってくるのは、良くある症状です。「親が何年も先まで新聞の契約をしていた。」「実家に帰ったら、高級布団セットがあった。」「親の家に公共料金の督促状が来ている。」「親の財布に大量の小銭が入っている。」こんな経験をした方はいませんか?こんな場合は、認知症で金銭管理が出来なくなっている可能性があります。認知症の人が金銭管理が出来なくなったら、どうしたらよいのでしょう?今回は、認...

認知症と似た症状の「せん妄」をご存知ですか?「親が入院したら、突然変なことを言ったり暴れたりした。」こんな経験をお持ちの方は、意外と多いのではないでしょうか。「入院したら認知症になった」と、病院にクレームをつける家族も…。高齢者が入院した時などに、認知症のような症状を起こす場合があります。これを「せん妄」といいます。今回は、認知症とせん妄の違いや対処法についてお伝えします。

認知症の症状も起こすと言われる「ピック病」をご存知でしょうか?「ピック病」という病名は、聞きなれませんね。ピック病は、脳の前頭葉や側頭葉という部分が変性する病気です。認知症の症状も起こしますが、言語障害から発症するケースもあり、ピック病は分かりにくい病気です。まじめな人が突然万引きするなど、奇異な行動をとった場合、ピック病が疑われます。今回は、認知症の症状も起こすピック病についてお伝えします。

認知症の「注意障害」をご存知でしょうか?「考え事をしながら歩いていて、何かにつまづく。」「急いで外出しようとして、財布を忘れる。」誰にでもある「うっかり」ですね。これらは、別の事に気をとられて注意力が低下したためにおこることです。認知症でも注意障害が起こります。認知症による注意障害では、電話で話をすることなども困難になります。今回は、認知症の注意障害についてお伝えします。

認知症の見当識障害という言葉をご存知の方もいらっしゃることと思います。「ここはどこ?私は誰?」ギャグなどでもよく使われるセリフですね。今がいつで、ここはどこで、自分と周囲の人との関係はどうなっているのか。これを「見当識」といいます。認知症で、見当識に障害が起こることを「見当識障害」と言います。その結果、日常生活に困難が生じます。今回は、認知症の見当識障害についてお伝えします。

認知症と嚥下障害という言葉をご存知でしょうか?「嚥下(えんげ)」とは、飲み込むことです。嚥下障害によって、食べ物の飲み込みが障害されるということは、命の危機に直面することになります。認知症で嚥下障害を併発すると、肺炎を起こすことも多くなります。今回は、認知症と嚥下障害の関係や注意点についてお伝えします。

認知症の人の生活を見ていると、昨日できなかったことが今日はできたり、午前中にできたことが午後にはできなかったり、ということがあります。認知症の症状の「波がある」といわれる状態です。認知症の症状や認知症の人の行動には、なぜこのような波(症状の変動)があるのでしょうか?今回は、認知症の波がある状態についてお伝えします。

電話やインターネットで商品を買える通信販売は、大変便利なシステムですね。認知症の人が増えるにつれて、通信販売などのトラブルの件数も増加する傾向にあります。認知症の人は、なぜ勝手に買い物をしてしまうのでしょう?認知症の人が勝手に買い物をしてしまう場合、どのような対処法があるのでしょうか?今回は、認知症の人が勝手に買い物をしてしまう理由や対処法についてお伝えします。

身近な高齢者が「急に元気がなくなった」「最近トイレが間に合わなくなった」「言葉が出なくなった」というようなことがありませんか?このような状態を見て、「認知症になってしまったかな?」と考える人は多いことでしょう。認知症は「急に出始める」ということがあるのでしょうか?今回は、認知症の症状が急に出始めた場合の原因や対処法についてお伝えします。

2018年の3月頃から、「スマホ認知症」という言葉がニュースに取り上げられるようになりました。スマホ認知症とは、スマホの使用により、若者にも認知症の症状が出ているという内容です。では、スマホを使っていることが脳に有害なのでしょうか?また、スマホ認知症になったら、どうしたらよいのでしょうか?今回は、スマホ認知症の原因や症状、対策などについてお伝えします。