認知症の人が勝手に買い物することについて
電話やインターネットで商品を買える通信販売は、大変便利なシステムですね。
認知症の人が増えるにつれて、通信販売などのトラブルの件数も増加する傾向にあります。
認知症の人は、なぜ勝手に買い物をしてしまうのでしょう?
認知症の人が勝手に買い物をしてしまう場合、どのような対処法があるのでしょうか?
今回は、認知症の人が勝手に買い物をしてしまう理由や対処法についてお伝えします。
認知症の人が勝手に買い物をしてしまう理由は?
国民生活センターによると、2013年の60歳以上の認知症高齢者の相談件数は11499件。
その65.5%を80歳以上の認知症高齢者が占めるとか。
相談された件数の83%は、本人以外からの相談というデータも見逃せません。
認知症の人が勝手に買い物をする理由としては、次のようなことが考えられるでしょう。
- 注文したことを忘れてまた注文してしまう
- テレビショッピングなどで良さそうと感じると、考えることなく注文してしまう
- お試しのつもりで注文したが、定期購入のコースだった
- 訪問や電話などで勧誘されると、断りきれない
- カタログやダイレクトメールが来ると、考えることなく注文してしまう
認知症の人は何も分からない、何もできない人ではありません。
認知症の初期では、買い物をするという能力は残っています。
しかし、「深く考える」「総合的に判断する」「意味を正しく理解する」という能力が低下しているために、不要なものを買ってしまうと考えられます。
認知症の人が勝手に買い物をしてしまう場合の対処法は?
認知症の人の家に同じ商品が大量にあったり、不審な物や生活に不相応な品物があったら、声を掛けてみましょう。
その時に注意する点は、認知症の人の買い物を非難しないことです。
- 騙されている!
- なぜそんな物を買ったのか!
などと、認知症の人を追い詰めてはいけません。
認知症の人が勝手に買い物をした場合の声かけの方法
- その品物(契約)に満足していますか?
- どのように(誰のために)役立てようと思ったのですね?
- その販売者(業者)は信用できますか?
認知症の人の不適切・不要の買い物(契約)は、早々に自治体の消費生活センターなどに相談してみましょう。
認知症の人の勝手な買い物を予防する方法
シルバーホン ひびきSIII(NTT東日本)
この電話機には、暗証番号を入力しないと複数の特定の電話番号にかけられない機能があります。
認知症の人が勝手な買い物をした相手先の電話番号を入力しておくとよいでしょう。
ナンバーディスプレイにしておいて、認知症の人に「知り合い以外は電話に出ないように」と伝えることもよいでしょう。
パナソニック デジタルコードレス電話機
この電話機には、通話時に録音することを伝えたり、電話に出る前に注意を促すアナウンスが流れたりする設定があります。
郵便物の配送先を変える
ダイレクトメールやカタログが送られてくることで、認知症の人が勝手に買い物をしてしまう場合があります。
この場合、登録先を介護者の住所などに変更してしまうのも1つの方法でしょう。
クーリングオフ
訪問販売、電話勧誘販売などの場合は、クーリングオフを検討しましょう。
通信販売にはクーリングオフが適応されませんので、注意しましょう。
認知症の高齢者の勝手な買い物は、悪徳商法のカモにされている可能性もあります。
介護する人は、認知症の人の様子や部屋の状態を見守りましょう。
介護者が家にいない時は?
介護する人がどうしても家にいられなかったり、遠く離れている時などには「見守りカメラ」が便利です。
スマホで簡単に認知症の方の動きを確認できるので、とても安心です。
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