認知症の妄想という症状について
認知症の人は頑固になる場合が多いのですが、何かの思い込みがとても強くなる状態に「妄想」があります。
妄想は、認知症だけの症状ではなく、「統合失調症」などの精神疾患でも見られますので、見極めが必要です。
認知症の人が「妄想」にとらわれると、介護が困難になってしまう場合があります。
妄想には、もの盗られ妄想・嫉妬妄想・被害妄想・被毒妄想などがあり、どれも介護を困難にします。
ただし、接し方を工夫することで乗り切れる可能性があります。
今回は、認知症による「妄想」についてご説明します。
認知症の妄想の種類について
認知症の妄想には様々な種類があります。
ここでは、困ってしまう妄想の例として、2タイプご紹介します。
嫉妬妄想
自分の妻が男性と話をしているだけで「浮気をしている」と、認知症の夫が思い込む場合などです。
対処方法は、ヘルパーや家に集金に来る人を女性にしてもらうなどです。
被害妄想
「家族が自分を邪魔者にしている」「誰かが自分を殺しに来た」などと思い込むことです。
家族が邪魔者にしているという妄想の場合は、認知症の人が「疎外感」を感じている場合があります。
そんな場合には、複数の人が集まる時には認知症の人も一緒に過ごし、認知症の人を話題に入れるとよいでしょう。
「誰かが殺しに来た」などと言う場合には、幻覚を見ている可能性もありますから、どんな人かを聞いてみましょう。
私の体験したケースでは「鬼がいる」でしたね。明らかに幻覚です。
認知症の妄想の対処法について
妄想や幻覚が激しくて介護に支障をきたす場合には、医師に相談して抗精神薬を処方してもらうとよいでしょう。
少量の「抗精神薬」を長く飲む場合もありますが、妄想や幻覚が強い時だけ飲むという使い方もあります。
認知症の人は、理解力が低下していても「感情」の方は豊かです。
介護する人は自分も大切にして、心に余裕を持って認知症の人に接しましょう。
その場合、家族だけで抱え込まないことが大切ですよ。