認知症の弄便(ろうべん)という困った行為について
認知症の弄便(ろうべん)という困った行為についてご説明します。
まず、弄便(ろうべん)行為とは、便をいじる行為のことを指します。
認知症の人の方向をふと見たら、便を持っていた。
また、別も場面では、認知症の人がカベに便を擦り付けていた。
認知症の人の弄便(ろうべん)は、介護する人にとっては、非常に衝撃的な出来事です。
非日常的と思われるこの行為「弄便(ろうべん)」は、認知症の人を介護する現場では、しばしば見られます。
弄便にも、認知症の人なりの理由があるのですが、介護者の負担は大きくなります。
今回は、「認知症の弄便(ろうべん)」について原因と対策をご説明します。
認知症で弄便(ろうべん)をする原因
認知症の人が弄便(ろうべん)をする原因の1つ目は、オムツの中に便が出て不快になったことです。
弄便をする認知症の人の立場に立つと・・・
(1)オムツの中に便が出た
↓
(2)なんだか気持ちが悪いのでオムツをはずした
↓
(3)お尻を触ったので便が手に付いた
↓
(4)手に何か(便とは思っていない)付いたので取ろうとして周りの物に手をなすりつけた=弄便(ろうべん)
と、なります。
原因の2つ目は、便の感触があんこに似ているので、こねたり丸めたりするというものです。
どちらにしても、認知症の人は便が汚いものであるという認識ができません。
また嗅覚も弱っているので、不快には感じないようです。
認知症の弄便(ろうべん)の対策
認知症の弄便(ろうべん)の対策としては、まず排便をコントロールすることです。
- 朝食が終わったら、ゆっくりとトイレに座らせて便を出す習慣にする
- その人の生活の中で便が出るタイミングを見つける
・・・というのも、認知症の人の弄便(ろうべん)を防ぐ1つの方法です。
便秘気味の人には下剤を使ってもよいのですが、始めは調整が難しいので注意が必要です。
医師や看護師に、下剤の特徴や効き方を相談するとよいでしょう。
また、部屋に対する弄便(ろうべん)対策としては、畳の部屋ならフローリングカーペットを敷く、カベにはツルツルした素材の物をはるという方法もよいでしょう。
オムツをはずせない場合は、つなぎタイプのパジャマを着せるという方法もあります。
つなぎタイプのパジャマは、ドラッグストアなどの介護コーナーでも売っています。
認知症の人の弄便は、介護者にとって精神的にも身体的にも大きな負担になりますので、介護施設のショートステイを使うなどして、家族だけでがんばらないようにしましょう。