認知症による暴力で悩んでいる方へ
認知症の介護を困難にする要因の1つが、暴言・暴力です。
- 竹ぼうきを持って暴れた男性
- 病院のロビーのガラスを素手で叩き割った男性
どちらも私達の施設でお世話することになったケースです。
2人とも、警察官に付き添われてやってきました。
では、なぜ認知症の方が、このような暴力を起こすのでしょうか?
認知症で暴力・暴言をおこす理由
認知症で暴力・暴言をおこす理由は一体なんでしょうか?
脳血管性認知症や前頭側頭型認知症(FTD)の場合、理性で感情を抑えることが難しくなります。
そうすると、少し気分を害しただけでも暴言・暴力につながる場合があります。
特に「前頭側頭型認知症」では、人格の変化が大きいことが特徴です。
また、認知症の人は、自分の体調不良などを上手く伝えられません。
その結果、不機嫌になり暴言・暴力につながる場合があります。
介護者が強引に立たせようとするとか、着替えさせようとするなど、認知症の人が「こわい」と感じるケースもあります。
そのため、手を振り払ったり、暴言をあびせたりという暴力的行動にでる場合もあるのです。
認知症の暴力・暴言の対策は?
認知症の暴言・暴力の対策としては、できるだけ穏やかに対応しましょう。
興奮して暴言を吐いていても、真剣に聞いているとおさまる場合もあります。
暴力をふるわれた場合は、無理せずに認知症の人から離れましょう。
力で対抗しようとすると、さらに興奮させてしまいますし、お互いにケガをする危険もあります。
興奮しやすい、暴力を起こしやすいのであれば、迷わずに医師に相談しましょう。
普段のかかりつけの医師では、手に負えない場合もあります。
そのような時には、精神科の医師を紹介してもらうとよいでしょう。
飲み薬で興奮性がコントロールできると、介護者の負担が減りますからね。
認知症の暴力は、時には警察官の力を借りる必要があります。
しかし、飲み薬でのコントロールも可能ですから、「事件」になる前に専門医に相談しましょう。