認知症の困った症状の寝言について
寝言を言うのは認知症の人に限りませんが、認知症の中でも特に「寝言」が問題になるのは、レビー小体型認知症です。
普通の寝言は、ゴニョゴニョと何を言っているのかハッキリしない場合が多いですよね。
ところが、認知症の寝言は大きな声でハッキリしていて「誰かとしゃべっているのかと思った」「部下を叱りつけているようだった」と、介護者が言うくらいです。
今回は、認知症の困った症状である「寝言」の原因や対処方法などを説明します。
認知症の寝言の原因
認知症の寝言が問題になるのは、「レビー小体型認知症」です。
レビー小体型認知症には、「レム睡眠行動障害」という症状があり、これはレビー小体型認知症の初期から見られる症状です。
睡眠中は、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」が交代で起こります。
入眠すると、最初は「ノンレム睡眠」の状態になります。
ノンレム睡眠は、脳も身体も休んでいる状態で、90分程度続きます。
その後、レム睡眠に入り、脳は活動しているが身体は休んでいる状態になります。
レム睡眠の時には眼球が動いていて、夢を見るのもこの状態の時です。
レビー小体型認知症の「レム睡眠行動障害」は、このレム睡眠の時に身体の脱力がうまくいかずに、身体が動いてしまうことで問題が起こります。
ひどい場合には寝言だけでなく、暴れ出したり、近くで寝る人にケガをさせたりします。
認知症の寝言の対処方法
レビー小体型認知症のレム睡眠行動障害は、入眠して90分後に起こることが多く、この時期の寝言や奇声は10分程度でおさまります。
ところが、朝方に起こるレム睡眠行動障害は、10分以上の長さにおよぶ場合があります。
この時は、身体を揺さぶったり大きな声で無理やり目覚めさせたりしてはいけません。
部屋を明るくする、目ざまし時計を鳴らしたりするなどで、自然に目が覚めるように工夫しましょう。
レム睡眠行動障害の時には悪夢を見ているので、身体に衝撃を受けて急に目が覚めると、悪夢と現実が混同して興奮してしまう場合があります。
レビー小体型認知症は、薬が過剰に効いてしまう場合がありますので、安易に睡眠薬を使わないようにしましょう。