認知症で思い込みが激しくなるのはナゼ?
認知症で思い込みが激しくなるという話をよく聞きます。
今までは、ずっと夫婦仲に問題がなかったのに、急に「妻が浮気をしている!」と騒ぎだした高齢の方はいませんか?
もしかすると、それは「認知症の初期症状」かもしれません。
認知症の思い込みや妄想は、正しく対応しないとますます興奮させてしまいます。
では、そんな認知症による思い込みや妄想の原因と対応方法について、ご説明しましょう。
認知症で思い込みや妄想を起こす理由
認知症の人に思い込みが多いのは、脳障害が起きていることが原因です。
記憶や見当識、論理的に考える力が障害されているので、物事を正しく認識できません。
そのために、認知症の方は、自分で勝手に物語を作ってしまい、思い込みが激しくなるのです。
たとえば、部屋の模様替えをしたことを忘れてしまい、自分の家ではないと思いこむという認知症の方がいます。
その場合、いくら言って聞かせてもダメな場合もありますので、仕方なく部屋を元の状態に戻したりもします。
また、家族や介護者が本人の話を聞かずに無視したりして、自分は嫌われているという思い込みをするなどもあります。
認知症の思い込みは、言っても分からないから、さらに言うというパターンにハマると、ドンドン悪循環となりますので注意したいところです。
認知症の思い込みや妄想の対応方法
認知症による思い込みや妄想は、人間関係的には訂正不可能です。
どういうことかとう言いますと・・・認知症の人には、いくら説明しても理解しません。
また、説得する方が怒ってしまうと「自分の言っていることが正しいから、ごまかそうとしている。」と、思い込みを激しくさせてしまいます。
認知症の思い込みの対応方法は、以下の3つです。
(1)とにかく認知症の人の話をよく聞き、共感していることを示す
(2)ものを盗られたという妄想なら、「誰に盗まれたの?」などと、質問で返す
一緒に探しましょうと言って探してもよいが、必ず本人が見つけるように仕向ける。
そうしないと、見つけた人が盗んだ人になってしまうからです。
(3)興奮や攻撃が強い場合は「ちょっとトイレに行きます。」など、理由を告げてから離れる。
認知症による妄想は、環境の変化をなくしたり、周囲の人たちが温かく接したりすることで、予防できる場合があります。
しかし、思い込み・妄想が激しい場合は介護が困難になりますから、精神科医に相談して薬で症状を抑えることも必要です。