認知症で叫ぶ理由
認知症の人が、夜中いきなり「叫ぶ」という行為におよんだりしたら、家族は対処に困ってしまいますね。
いくら認知症だからと言って「助けてー!」と大声で叫ぶなんて、どうでしょう?
「あれって虐待じゃないの?」なんて、あらぬ疑いをかけられるかもしれませんよね。
さらに、それが毎晩毎晩続くなどということになると、かなり深刻な問題となるでしょう。
今回は、認知症の人が大声で叫ぶ理由と、その対策について説明します。
認知症で叫ぶのは周辺症状?
認知症の人がいきなり叫ぶのは、周辺症状の一つだと言われています。
認知症の症状には、「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」があります。
周辺症状には、不安・幻覚・妄想などがあり、これらのために叫ぶということが考えられます。
例えば、「夜中に目を覚ました認知症の人が、自分がどこに居るのか分からず不安になり叫ぶ」ということです。
認知症のために幻覚があれば、誰かが立って見ているとか、妄想があれば、物音を泥棒と思いこむなど、恐怖や不安から大声で叫ぶことがあるでしょう。
大声で叫ぶ認知症の人の対策
大声で叫ぶ認知症の人の対策として、まずは、本人から話を聞いてみましょう。
いきなり「静かにしろ!」と怒ったりすると、逆効果です。
認知症の症状の一つとして、叫ぶだけにとどまらず、ますます興奮して暴れるなどの行動にでるかもしれません。
最近、認知症の人が不愉快に感じることはありませんでしたか?
便秘など、体調が悪いことはありませんか?
辛抱強く聞いてみると、案外、認知症の方が叫ぶ理由が思い当たることがあります。
叫ぶ理由がなんとなく分かったら、認知症の方の気持ちに立って、共感したり慰めたりして、安心させましょう。
部屋を真っ暗闇にしないのも、1つの方法です。
しかし、いくら家族でも、認知症の方が頻繁に夜中に叫ぶという行為に出た場合は、精神的にも参ってしまいます。
そんな時には、早めに医師に相談して、薬を処方してもらうことも必要です。
ご近所には、可能な限り正しい情報を伝えておきましょう。
下手に認知症を隠しておくと、叫ばれた時に誤解を受けかねませんからね。