認知症と転倒の関係性について
「うちの親は骨折してから認知症になった」
と思っている方は、私の周囲を見渡す限りけっこう多いように思います。
認知症は、転倒・転落の結果、骨折して生活が不活発(外出しない・他者との交流が減る)になり、発症する場合があります。
しかし、逆のパターンで、気がつかないうちに認知症になっていて、そのために転倒したという場合もあるのです。
認知症と転倒の原因から、対策を考えましょう。
認知症は転倒・転落から生活不活発状態へと続いて起こる
高齢者は、栄養不足・運動不足・老化により、骨粗鬆症(骨がスカスカの状態)になっている場合があります。
椅子に座りそこねて尻もちをつく、敷居の段差でつまずくなど・・・
腰椎の圧迫骨折や、大腿骨頸部骨折(太ももの付け根の部分の骨折)を起こします。
高齢者でなければ、治療とリハビリで、社会復帰は可能です。
ところが、高齢になると、それがきっかけで「生活不活発状態」になり、脳の血流が減少することから「認知症」へと進む場合があります。
かくれ認知症から転倒・骨折、環境変化で認知症悪化へ
買い物などができて認知症に見えなくても、家に入ったら散らかり放題だったということがあります。
片付けや掃除が困難になっていると、足元にモノが散乱していて、転びやすい状態になりますので、注意が必要です。
脳梗塞を患った人は、明らかな麻痺がなくても、手足にしびれが残る場合もあり、転びやすくなります。
「レビー小体型認知症」の人は、バランスを崩しやすいので、転倒・転落しやすいです。
このように、認知症の人が転倒・転落した場合、痛みや入院という環境変化で強い混乱を招き、せん妄が出たり認知症症状が進んだりするのです。
介護者が家にいない時は?
介護する人がどうしても家にいられなかったり、遠く離れている時などには、転倒に注意してあげることが、なかなか難しいですよね。
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認知症の転倒・転落の予防と対策
地域で開催される「介護予防体操の会」に参加する、もしくは、スポーツクラブに通うなどしましょう。
また、栄養バランスも非常に大切ですので、たんぱく質やカルシウムをしっかり摂り、散歩などで適度に日光浴をしましょう。
家具の配置を工夫して、歩きやすくしましょう。
引き戸を開け閉めする際に、バランスを崩すこともありますので、近くに手すりを付けると効果的です。
高齢になったら、とにかく転倒・転落をしないように予防すべきです。
それが認知症になるリスクも、認知所が悪化するリスクも大きく減らすことになりますよ。