認知症による平衡感覚の関係性について
認知症によって平衡感覚が失われるというのは、よく聞く話です。
ところで「平衡感覚」という言葉は一般的なようですが、その意味についてはどうでしょうか?
平衡感覚とは、体の位置や運動の変化を感知する感覚のことを指します。
私たちは、この平衡感覚によって、体の動きを感知して体位やバランスを保っています。
では、この「平衡感覚」と認知症には、どのような関係があるのでしょうか。
ここでは、認知症と平衡感覚の関係についてご説明します。
認知症によって平衡感覚が失われるとどうなる?
実は、認知症が進行すると、平衡感覚にも影響をもたらすため、転倒することが多くなります。
実際に私が勤めていた施設でも、一番多い事故は転倒でした。
高齢に伴い骨も脆くなっていきます。
そのため、少しの衝撃で骨折をしてしまう可能性は十分に考えられえます。
ただ転んだだけで大袈裟じゃないか、と思う人も中にはいるかもしれません。
しかし、高齢の方や認知症の方にとっては、たった一回の転倒で、その後の生活が大きく変わってしまうこともあるのです。
私が働いていた施設に、認知症と骨粗しょう症をお持ちの方がいらっしゃいました。
歩行は自力でできており、杖と手すりを使いながらゆっくりとご自分の力で歩いていました。
ある日、いつものように廊下を散歩していたのですが、方向転換をした際、平衡感覚が保てなくなり、バランスを崩しそのまま転倒してしまったのです。
思いっきり転んだわけではなく、しりもちをついた程度でしたが、実際に病院に行ってみると大腿骨骨折。
退院しましたが、骨がずれてしまったため歩行はできなくなり、寝たきりの生活になってしまいました。
それに伴い認知症もどんどん悪化してしまい、転倒前は普通に話せる日もあったのですが、もう会話が成り立たなくなるまでになってしまいました。
このように、平衡感覚が衰えてしまうと、些細なことから大きな事故に繋がりかねないので、常に注意が必要なのです。
介護者が家にいない時には?
介護する人がどうしても家にいられなかったり、遠く離れていると、なかなか注意してあげることも難しいですよね。
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認知症による平衡感覚の悪化を防ぐ方法や注意点
「平衡感覚が衰えている方の多くが、認知症になる可能性が高い」という結果があります。
言い換えれば、「平衡感覚を養うことができれば、認知症の予防ができる可能性が高い」ということになります。
そこでここでは、平衡感覚を養う方法をご紹介します。
やり方はひとつ、とても簡単。
「目を閉じて、片足立ちをする。」
これだけなんです。
立っていられる時間が長ければ長いほど、バランスが取れている=平衡感覚が養えている。ということになります。
ちなみに、こちらが目安となっています。
- 20歳代→約70秒
- 30歳代→約55秒
- 40歳代→約40秒
- 50歳代→約30秒
- 60歳代→約20秒
- 70歳代→約10秒
- 80歳代→約5秒
平衡感覚を養いながら「認知症予防」「下半身の筋力アップ」「転倒防止」。
一石四鳥ですよね。
やって損はないので、ぜひ習慣にしていただきたい対策です。
次に注意点ですが、やはり一番は平衡感覚の衰えから来る「転倒」です。
危険を予想して転倒を防ぎましょう。
まず、家の中で注意すべき点はどこでしょう。
- 床に物がたくさん置いてありませんか?
- 絨毯の端がめくれていませんか?
- 段差が多くありませんか?
- 手すりはありますか?
- コードがめちゃくちゃになったままになっていませんか?
- 床が滑りやすくなっていませんか?
ふらつきはいつ何時も起こります。本人ですら、「こんなことで転んでしまうなんて」と思うものです。
ですが、普通に生活していたら見落としがちなことも、ちゃんと対策をとっておくことで防ぐことができるのです。
平衡感覚を養う運動を毎日行い、ふらつきも認知症も予防しましょう。