高齢者の食事の注意点!筋肉をつけるメニューが必要って本当?
高齢者の食事は、どんなところに気をつければ良いのでしょうか?
「食事」が健康維持の大きな要素であることは間違いありませんよね。
特に高齢者は筋力が低下し、歩行といった日常生活動作が衰える危険性があります。
そういった事情があるため筋肉をつける食事をする必要性がある、と言われますが本当でしょうか?
今回は、高齢者の食事の注意点、筋肉をつけるメニューが本当に必要なのかについてご紹介します。
高齢者の食事の注意点は?
まず、高齢者の食事で注意すべき点はなんでしょうか?
大きく3つに分けて説明します。
日々の食事が健康を作っていくわけですから、当然私たちは食事には気を遣う必要があります。
ですが、ここに『高齢者』という要素が入ってくると気を付けるポイントも変わってきます。
まずは調理方法です。
高齢者は嚥下能力(えんげのうりょく)が低下する傾向にあります。
嚥下能力とは、飲み込む力のこと。
これが低下すると誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を引き起こしたり、喉に食べ物を詰まらせてしまいます。
そういった事態を防ぐために、調理方法に気をつけないといけないわけですね。
「根菜」のように、繊維が多く硬い食材は、柔らかくする必要があります。
肉類も柔らかいものを選び、必要であれば繊維を切ってから調理をするようにしましょう。
また、水分が少なめだと嚥下がしづらくなります。
なので、本人の状態によっては「とろみ」を付けた方がいいかもしれません。
生野菜も酢の物として召し上がっていただく、あるいは千切りにする等の食べやすい工夫が必要になります。
私たちにとってはごく普通に食べる食材や調理方法でも、高齢者にとっては食べづらく感じることがありますから、注意が必要です。
高齢者に限定した話ではないですが、栄養バランスに配慮した食事はとても大事です。
栄養バランスを欠いた食事をすると、
- 脳の動きが悪くなる
- 体力が低下する
- 免疫機能が落ちてしまう
といったリスクが生じます。
特に、高齢者は体調を崩しやすく回復機能が落ちているため、一旦具合を悪くすると回復までに時間がかかってしまいます。
だから、高齢者はより栄養バランスに配慮をする必要があるわけなんですね。
タンパク質やビタミン、糖質やカルシウムなどバランス良く摂取するようにしてください。
また高齢になると味覚が衰え、濃い味付けを好む方が増えますから、塩分の取りすぎには注意です。
調理方法や栄養バランスについて書きましたが、そればかりに気を遣うと、日々の食事のメニューが単調なものになってしまいますよね。
似たようなメニューが続くと、食べる高齢者も飽きてしまうかもしれません。
そうなると、食べなくなって低栄養状態を引き起こしてしまう可能性もあります。
ですから、それを防ぐためにもメニューのバリエーションを増やす必要がありますね。
何もまったく別のメニューを毎回考案しなければいけない、というわけではありません。
例えば、ほとんど同じようなメニューでも「味付け」を変えることで食べる高齢者の満足度も違ってきます。
お出汁を、和風、中華風、洋風に変えていくというのも一つの手でしょう。
・・・とはいえ、作る側としてはそれでも大変かもしれません。
今は、食事のバランスやメニュー作成にあたって参考になるアプリケーションもありますから、使ってみてもいいですね。
また、コロナの影響もあって最近は宅食便のサービスが充実しているので使っても良いでしょう。
高齢者に向けた食事内容で、食事制限がある方にも対応したメニューも揃っていますよ。
以下の「やわらかダイニング」なら、噛む力や飲み込む力が弱っている方に向けて作ってくれているので、おすすめです。
管理栄養士が監修しているので、安心して食べてもらえますし、初回「送料無料」なのもうれしいですね。
身体を作るのは食事です。
特に、高齢者は身体の機能が衰えているため、さまざまな配慮が必要になるわけです。
日々を健康に過ごすため、身体機能の保持が大事になります。
ところで、そのためには筋肉量を増やす事が望ましいという話がありますが、それは本当でしょうか。
続けて見ていきましょう。
高齢者の筋肉をつける食事メニューは?
高齢者には、筋肉をつけることが必要だと言えるのでしょうか?
答えとしては、「特に必要である」と言えるでしょう。
何故なら、筋肉量が低下すると、日常生活動作に衰えが出て来るからです。
日常生活動作とは、生活を送る上で行う日常的な動作のこと。
買い物に行ったり散歩をしたり、トイレに行ったり、お風呂に入ったりといったことですね。
こういった動作が難しくなるわけですから、当然高齢者には筋肉が必要です。
加えて、歳を取ると筋肉を合成する力が減ってきます。
だからこそ、普段の食事から気を付けなければいけないわけですね。
では、高齢者の筋肉をつける食事メニューとは、一体どういったものでしょうか。
筋肉を付けるには「たんぱく質」を使うため、たんぱく質が豊富に含まれた食材選びをします。
具体的には、乳製品、鶏肉等の肉類、魚類等です。
肉類や魚類は食事のメインになりますが、高齢者が食べやすいような工夫が必要になります。
肉類は柔らかく叩く、魚類であれば食べやすい煮魚などがおすすめです。
乳製品については朝食の飲み物を牛乳にしたり、間食にヨーグルトを食べたりすると、自然にたんぱく質が摂取できるでしょう。
ただ、いろいろと工夫してあげても、「食べない」という高齢者は少なからずいるんですよね。
その場合、どうすれば良いのでしょうか?
高齢者の食事で食べない時はどうする?
これまでの内容を参考にし、食事を作っても、高齢者が食べてくれない可能性があります。
高齢者が食事を食べない理由は、いくつかあります。
加齢から空腹になりづらくなることもありますし、心身に不調がある等様々な可能性が考えられます。
・・・とはいえ、食べてもらわないとそれはそれで低栄養状態になってしまうから、どうにかして食べてもらう必要がありますね。
そこでまず第一にやるべきこととして、「量」を少なくしてみましょう。
これくらいなら食べられるかも、という意識を持ってもらうと食べてくれるかもしれません。
あとは、塩分等に注意が必要ではありますが、本人の好みの味付けを行うことも効果的です。
また、最近のドラッグストアには高栄養食品が置いてあります。
頼り過ぎは良くないですが、即効性がありますから状況によってはこちらの利用を検討してもいいかもしれませんね。
何はともあれ、一番やっていけないのは「無理やり食べさせる」ということ。
食事をストレスと感じてしまうかもしれませんから、無理やりは絶対に控えてくださいね。
ところで、高齢者が食事を摂るときにはさまざまな問題が起きることがありますが、その代表的なものが「しゃっくり」でしょう。
その場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?
高齢者が食事中にしゃっくり!原因や対処法は?
様々な問題をクリアして高齢者が食事を食べてくれた時、もしかしたら「しゃっくり」をしてしまうかもしれません。
たかが「しゃっくり」と思ってはいけませんよ。
高齢者のしゃっくりは、私たちが考えている以上に危険ですし、もしかしたら病気のサインかもしれません。
ご存じかもしれませんが、しゃっくりとは横隔膜の痙攣(けいれん)によって引き起こされるものです。
食べ過ぎた時には、横隔膜が圧迫されてしゃっくりが出ることがありますし、あまり噛まずにものを食べたり、刺激物や炭酸飲料を摂取した時にもしゃっくりは起きやすくなります。
また、逆流性食道炎の兆候がある際に胃酸によって刺激を受け、しゃっくりが出るということもあります。
しゃっくりそのものは普段の生活で起こりうるものですが、食事中のしゃっくりは誤嚥性肺炎を引き起こす原因になりますから、極力防ぎましょう。
食べ過ぎや咀嚼(そしゃく)回数には注意し、食事中にしゃっくりが出た時は一旦休憩し、水を飲んでもらうなどの対処が必要です。
もし、しゃっくりが止まらないようであれば医療機関の受診をおすすめします。
しゃっくりは、突発的に起きることが多いので、万が一のことに備えて、しっかりと見守るようにしてあげてくださいね。
それでは、高齢者の食事について、最後にまとめましょう。
まとめ
今回は、高齢者の食事についていろいろな観点からお話しました。
高齢者の食事には、注意すべきポイントが多かったですね。
日々の食事において調理方法や栄養バランス、メニューが大事であること。
アプリを使ったり、やわらかい宅配食の『やわらかダイニング』のようなサービスを使ってもいいでしょう。
高齢者には筋肉が必要で、たんぱく質を摂取するよう配慮が必要。
食事を食べない時は少量盛りつけたり、本人好みの味付けに変えると上手くいくかもしれません。
他にも高栄養食品に頼ったりと方法はありますが、無理やり食べさせるのは控えてください。
しゃっくりは誤嚥性肺炎などに繋がるので、一旦休憩して水を飲んだりしてみましょう。
高齢者にとって食事は大きな楽しみですから、色々工夫してみてくださいね。