高齢者の万引きの原因と対処法!家族の対応は?
高齢者による万引きが多発している、ということをご存じでしょうか。
万引きというと、いわゆる「不良」と呼ばれる学生等がやるイメージですよね。
それを大人が・・・しかも年齢を重ねた高齢者がやるというのはイメージが難しいかもしれません。
ですが、紛れもない事実なんですよ。
今回は、そんな高齢者の万引きの原因や対処法、それに対して家族はどう対応すべきなのかについて詳しくお伝えします。
高齢者が万引きする原因は?
そもそも、高齢者が万引きする原因とはなんでしょうか。
もちろん、あげればいろいろとありますが、今回は3つの項目に分けてお話ししますね。
高齢者は年金暮らしの方が多いですが、年金だけでは生活が立ち行かないケースがあります。
私も高齢者と接する中で、生活のお話を聞くことがありますが、なかなか厳しい人が多いように感じます。
そこで、万引きに走るという方が、いらっしゃるのです。
「犯罪の意識はあるけど、お金が無くて万引きをしてしまう」というケースですね。
または、親族の援助を受けることが出来る状況であっても、迷惑を掛けたくないからといって万引きに手を染めてしまう高齢者もいます。
ですから、もしも、そういった高齢者がいるようであれば、ぜひ気をつけて生活状況の様子を見るようにしてください。
このケースは、年々増加傾向にあります。
高齢者に見られる認知症は、時に「万引き」を引き起こします。
認知症の症状の一つに、倫理的思考の欠如が挙げられます。
つまり、常識的にやってはいけないことをやってしまう、ということですね。
また、別のパターンとしては、判断能力が低下して、商品を持ったままお会計を忘れて外に出てしまう、なんてことがあるかもしれません。
その場合は、本人に万引きの意識がなかったとしても、他の人から見れば「万引きだ!」ということになってしまいます。
周囲をかなり悩ませるパターンと言えますね。
3番目の理由は、寂しさからくる「自己アピール」という言い方が妥当かもしれません。
現在、日本では独居老人の方が増えているというのはご存知だと思います。
高齢者に限らず、人間だれしも、人としゃべらないで生活していると寂しくなります。
そういった孤独感が、万引きを引き起こすことがあるのです。
良い悪いは別にして、少なくとも万引きをすれば、人から注目を浴びますし、自分の存在がハッキリしますからね。
この場合、万引きは目的ではなくコミュニケーションの手段と考えられるでしょう。
高齢者の万引きには、こういった原因や事情があるわけです。
ただ、ご本人の意識はどうあれ、万引きは万引き。
家族としては防ぎたいですよね。
高齢者がこれから万引きをするかどうか、それを判断出来る特徴があれば事前に防ぐことが出来るかもしれません。
では、高齢者の万引きにはどのような特徴があるのでしょうか。
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高齢者の万引きの特徴!事前に知ることはできるのか?
高齢者の万引きは、比較的安価なもので、食料品が多くなっています。
例えば、菓子パンやおにぎり、お惣菜といったものが挙げられるでしょう。
安価であれば、罪の意識も薄く、バレても食べてしまえば良いと考えてしまうようですね。
また、認知症があると生理的欲求(食べたい、眠りたい)に従いやすくなりますから、万引きには食料品が多いとされています。
なので、高齢者が食料品売り場、お惣菜が置いてある場所で、用事もないのにウロウロしているようなら、注意が必要です。
もしも、家族が高齢者と一緒にスーパーやコンビニに行った際には、特に目を光らせる必要があります。
ただ、そうは言ったものの、もしかしたら家族の知らないところで、あるいは隙を見計らって高齢者が万引きしてしまうかもしれません。
事前に防ぐことが出来ず万引きをしてしまった時、家族の方はすごくショックですし、悩みますよね。
では、その場合、家族はどのように対処すれば良いのでしょうか?
高齢者の万引きの対処法!家族の対応はどうすればいい?
高齢者の家族が万引きをしてしまった場合の対処方法を、いくつか見て行きましょう。
何を当たり前のことを!・・・という声が聞こえてきそうですが、高齢者の万引きの場合、ちょっと事情が変わって来ます。
認知症という問題が浮上する場合があるからです。
まず、当たり前ですが、悪いことをしたら当然、謝らないといけませんよね。
ところが、高齢者の場合、認知症があったりすると罪の意識がないということがあるのです。
それどころか、逆に万引きをした高齢者側が激昂してしまう、なんてこともありますから、家族は冷静に対応する必要があります。
家族が熱くなってしまうと収拾がつかなくなりますからね。
高齢者に向かって「なんてことをしたんだ」などと問い詰めたい気持ちはあるかもしれません。
ですが、まずは非を認めて真摯に謝罪することが先決です。
謝罪を行うのは前提として、その後は「示談」が必要ですね。
賠償を行う、または店舗の出入り禁止などを行うことによって丸く収めましょう。
示談の経験がある方なんて早々いませんので、困った際には弁護士に相談するのも手です。
最近は、高齢者の万引きも社会問題化していますので、慣れている弁護士さんも多いですよ。
繰り返しになりますが、もしも高齢者の家族が万引きをしてしまったら真摯に対応してください。
誠意が被害者側に伝われば、丸く収まるケースもけっこうあるかもしれません。
ただ、高齢者の万引きって、実は「再犯率」が高いんです。
やっと一件落着したかと思ったら、「またか!」という状態にならないためにも、再犯率は何としても下げたいですよね。
万引きを繰り返さないためにはどういった予防をすれば良いのでしょうか。
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高齢者の万引きの再犯率!繰り返さないための予防法は?
万引きの原因にはいくつか理由がある、と記しましたので状況別にお話しします。
生活が苦しい場合、きちんと援助を受けることが出来れば万引きは無くなります。
自分の親や親族が万引きをする、なんて中々想像出来ないかもしれませんが、実際に社会問題として取り上げられるほどです。
他人事と思わずにしっかり様子を見てくださいね。
ただ、高齢者の自尊心の問題にも絡みますから、直接的な金銭の援助は避けた方がいいかもしれません。
買いすぎたから食べ物送るね、といったように本人を傷つけないよう配慮をしてください。
認知症の場合、口頭での注意や生活環境を改善しても万引きを繰り返すことがあります。
まず大事なのは、1人で買い物に行かせないことです。
私の祖父は良く近くのスーパーにお菓子を買いに行きましたが、必ず母親が付き添っていました。
誰かが目を光らせていれば万引きは出来ないでしょう。
また、認知症を治す薬は存在しませんが、症状の進行を食い止める薬は存在します。
抗認知症薬を服薬することで万引きといった行為を防ぐことが出来るかもしれませんから、一度主治医に相談してください。
このケースでは万引きは目的ではなく「手段」です。
デイサービスや訪問介護、あるいはボランティアやサークル活動をしてみると状況は改善するでしょう。
また、家族がマメに様子を見たり、遠方であれば電話をするようにしてください。
誰であっても孤独は辛いものですし、孤独は鬱(うつ)状況を作ったり認知症発症の原因にもなります。
私の祖父は高校教師で、教え子や同僚から良くお手紙や電話が来ていました。
最終的に、祖父は認知症になってしまいましたが、友人の存在や誰かと繋がっているという実感があると、心も明るくなるものですよ。
それでは、高齢者の万引きについて、最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、高齢者の万引きの原因や対処方法についてお話しました。
まず、万引きの原因としては生活苦や認知症、注目してほしい等の場合が多いです。
家の高齢者が万引きをしたら、当たり前ですがまず真摯に謝罪すること重要。
誠意を持って対応した上で示談を行いましょう。
高齢者の万引きは繰り返すことがあります。
生活苦からであれば適切な援助を行い、認知症の場合は主治医に相談しましょう。
注目してもらいたい場合、デイサービスやサークル活動など、人との繋がりができれば万引きだけではなく鬱や認知症発症を防ぐことが出来るかもしfれません。
軽く見られている万引きですがれっきとした犯罪です。
もしも怪しいと思ったら高齢者から目を離さず、予防するように努めてください。
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