認知症とテレビの関係について
テレビを見ている認知症の人が、画面に向かって話していたり、怒っていたりする場面を見かけたことがある方もいらっしゃるでしょう。
認知症の人にテレビを見せると、「脳が活性化する」という意見と、「脳が受け身になってよくない」とする意見があります。
果たしてどちらなのでしょうか?
どうやら、テレビも「使い様」のようです。
今回は、認知症とテレビの関係について説明します。
認知症のリスクを高めるテレビの見方が存在する?
テレビには、認知症のリスクを高める見方が存在すると言われています。
1日の大半をテレビを見て過ごすのは、次の2つの観点からよくありません。
(1)脳が受け身になる
テレビは自分が意識しなくても、画面、場面がどんどん変わりますから、何も考える必要がありません。
つまり、脳細胞は休んでいるだけだから、良くないのです。
(2)運動不足になる
運動不足は脳の血流も悪くなるので、認知症を助長します。
認知症の人は、テレビの場面と現実が混同して興奮する場合があります。
また、昼間に見たテレビの内容を思い出して、夜に不穏になるという事もあるので注意が必要です。
認知症に有効なテレビの使い方とは?
さて、今度は認知症に有効なテレビの使い方について触れてみます。
認知症の人にテレビを見せる場合、ただ見せておくだけでなく、内容について話し合ったり、感想を聞いたりしましょう。
懐かしい歌謡番組なら、その歌を聞いた頃の思い出を認知症の人に語ってもらうと、回想法になります。
ドラマなどを見る場合でも、場面に応じて、認知症の人の思い出や経験を話してもらうようにするとよいでしょう。
小さな子供にテレビばかり見せておくことが害になるように、認知症の人もテレビばかり見せておくと、症状が進む要因となります。
大切なのは、ただボ~ッと見るのではなく、「テレビを使って人と会話をする」という事ですね。