認知症は葉酸で予防できる?
葉酸が認知症予防に効果があるという話がありますが、本当でしょうか?
葉酸は、ビタミンB群に分類される、細胞内のアミノ酸や核酸の合成に必要な物質です。
細胞分裂が活発に行われるときに葉酸がたくさん使われますので、妊娠前から妊娠初期の女性が葉酸不足になると、赤ちゃんの発育に支障があります。
10年以上前のアメリカやイギリスの研究では、葉酸不足が認知機能の低下や脳の委縮に関係があると報告されています。
今回は、認知症の予防に効果がある葉酸について説明します。
認知症と葉酸、ビタミンB12の関係
平成23年に発表された福井大学の研究では、葉酸・ビタミンB12の欠乏症と認知症の関係が明らかにされています。
葉酸とビタミンB12が欠乏すると、認知機能の低下と血液中のホモシステインという物質の増加が見られます。
血液中のホモシステインが増加すると、タウたんぱくの変性につながることがわかりました。
タウたんぱくの変性は、「アルツハイマー型認知症の原因」とされています。
葉酸とビタミンB12が欠乏している患者に、葉酸とビタミンB12を補給したところ、認知機能の改善と血液中のホモシステインの正常化がみられました。
認知症の予防効果がある葉酸とビタミンB12を摂るには?
認知症予防に効果的な葉酸が多く含まれる食品は、ほうれん草・アスパラガス・枝豆・海苔・緑茶です。
ビタミンB12が多く含まれる食品は、しじみ・赤貝・あさり・ほっき貝・はまぐり・レバー・焼のりです。
葉酸とビタミンB12は水溶性のため、ゆでると水に溶けてしまいますので、味噌汁などにして汁ごと食べると無駄なく摂取できます。
葉酸は日光に当たると分解されてしまうので、緑茶はペットボトルのものではなく、茶葉から入れたものがおすすめです。
葉酸とビタミンB12を欠乏させる要因に、飲酒があります。
お酒は控えめにして、貝類の味噌汁やほうれん草・レバー・海苔を食べて、認知症を予防しましょう。