認知症とビタミンの関係性について
認知症とビタミンという栄養素には、どんな関係性があるのでしょうか?
では、認知症とビタミンについてのお話の前に、まずは栄養素という部分について触れて見ます。
食べ物には、5つの栄養素があります。
5つの栄養素は、炭水化物、脂質、たんぱく質、無機質、ビタミンであり、これらは五大栄養素といいます。
今回は、認知症にビタミンがどのような働きをするのか、とくに認知症の方と関連の深いビタミンについてご説明します。
認知症とビタミンの働きについて
では、認知症に良いと言われるビタミンをいくつかご紹介しましょう。
ビタミンA
ビタミンAは、視力低下の予防や免疫システムの維持に欠かせないものです。
また、心臓や肺、腎臓の機能を助ける働きをします。
認知症の方は、循環器の慢性疾患をかかえている場合が多いので、ビタミンAを積極的に取り入れましょう。
ビタミンB12
ビタミンB12は、神経や血液細胞を健康に保つ働きがあります。
疲労や体力低下を起こす貧血の予防に欠かせない栄養素です。
また、認知症の方には不穏の原因のひとつである便秘の予防に役立ちます。
便秘は食欲不振や体重の減少を招くおそれがありますので、ビタミンB12も大事な栄養素です。
ビタミンC
ビタミンBCは、傷の治療に必要なたんぱく質であるコラーゲンを生成する働きがあります。
また、鉄の吸収を促し、病気から身体を守る免疫系の働きを助ける栄養素です。
ビタミンD
ビタミンDは、強い骨を維持するために必要な栄養素です。
骨粗しょう症の危険性が高い高齢者や認知症の方にとって、重要な栄養素だといえます。
ビタミンE
ビタミンEは、免疫機能を高めます。
体内に侵入する細菌やウィルスを防ぐ働きを助ける栄養素です。
認知症の方の風邪や感染症を予防します。
認知症とビタミンの効果的な摂り方
認知症の方にとって、ビタミンは欠かせない栄養素です。
効果的なビタミンの取り方について、前章から引き続き、とくに認知症の方と関連の深いビタミンについてご説明します。
ビタミンA
ビタミンAは、油脂といっしょに摂ることで、吸収率が上がる脂溶性です。
牛肉(とくにレバー)、豚肉、鶏肉、魚類、緑・黄色・オレンジの野菜に多く含まれています。
脂溶性なので、油を使った調理法により、効果的に摂取できます。
認知症の方に提供する場合は、食肉は小さめにカットする、魚類の小骨を除去すると食べやすくなりますよ。
ビタミンB12
ビタミンB12は、主な動物性食品(肉、魚類、卵、牛乳など)に含まれています。
ただし、高齢者や認知症の方はビタミンB12を吸収しにくいので、栄養強化食品もしくはサプリメントから摂取すると良いでしょう。
ビタミンC
ビタミンCは、オレンジやみかん、グレープフルーツなどの柑橘類や果物、トマトやブロッコリーなどの野菜から摂取できます。
ただし、加熱することで減少してしまうことがあります。
認知症の方は手軽なジュースから摂取する方法もありますよ。
ビタミンD
ビタミンDは、鮭、鮪、鯖などの魚類に多く含まれています。
きのこ類にも含まれますが、腸閉塞の疾患がある方はきのこ類の摂取は医師の判断を仰いでください。
ビタミンE
ビタミンEは、植物油やほうれん草などの緑色野菜から摂取できます。
認知症の方で緑色野菜が食べにくい場合は、ソースにして摂取してはどうでしょうか。
認知症の方にとって、ビタミンは必要です。
しかし、過剰摂取すると有害になる場合もあります。
サプリメントは処方されている薬との相性もありますので、かかりつけ医と相談のうえで服用してくださいね。