認知症とフェルラ酸の働きについて
認知症に良いと言われている「フェルラ酸」とはどのようなものでしょうか?
まず、フェルラ酸は植物の細胞壁に含まれる有機化合物であり、ポリフェノールの一種です。
そのフェルラ酸には、抗酸化作用があるといわれていますが、実は認知症への効果も期待されています。
認知症はなかなか効果的な療法が見つからない病気ですので、フェルラ酸が効果的であるという話は、未来が明るくなって来そうですね。
今回は、認知症の方にフェルラ酸がどのような働きをするのかについて詳しくご説明します。
認知症にフェルラ酸が効果的なのはナゼ?
認知症にフェルラ酸が効果的と言われているのは、何故なのでしょうか?
認知症を引き起こす病気のなかでも約50%を占めているアルツハイマー型認知症は、脳にβアミロイドの異常蓄積(老人斑)がみられます。
このβアミロイドの沈着は、加齢とともにほとんどの人に現われる症状です。
早い人では40歳代から沈着がはじまります。
90歳代の方は8割の方にβアミロイドの沈着がみられます。
βアミロイドの沈着が始まってから、おおむね20年ほど経過するとアルツハイマー型認知症が発症するといわれています。
また、βアミロイドの沈着には、遺伝因子や生活環境にも影響があると考えられています。
アルツハイマー型認知症の有効な予防方法とは、βアミロイドの沈着を防ぐことです。
しかし、私たちは誰でも平等に歳を重ねます。
加齢とともにアルツハイマー型認知症が発症するリスクは高まります。
しかし、フェルラ酸はβアミロイドの沈着を防ぐことができる、すなわち認知症の予防や認知症の進行を緩和できる効果があると判明しているのです。
フェルラ酸は抗酸化作用、認知症の予防以外にも、発癌を予防する効果も持っています。
次章では、認知症の予防や認知症の進行の緩和に有効なフェルラ酸の摂り方をご紹介しますね。
認知症とフェルラ酸の摂り方
認知症の方へのフェルラ酸の効果的な摂り方をご説明します。
まず、フェルラ酸が含まれている食品ですが、米や麦、大麦などの穀物があげられます。
とくに含有量が多いのは、米ぬかや玄米です。
穀物以外では、コーヒーやオレンジ、リンゴ、ピーナッツなどにもフェルラ酸が含まれています。
日々の食事のなかで、白米を召し上がっている方は多いと思います。
認知症の方も毎日のように白米を摂っていることでしょう。
では、白米を食べている方がフェルラ酸を効果的に摂取できているかといえば、そうではありません。
白米や精白された穀物に含まれるフェルラ酸は、ごく少量なのです。
また、コーヒーやオレンジ、リンゴ、ピーナッツなどに含まれるフェルラ酸も微量のため、1日の摂取目安量には到底およばないのが実情です。
米ぬかそのものを使用した料理としては、クッキーや煮物、ふりかけなど多岐にわたります。
調理方法を検索して、毎日の食事に取り入れてはどうでしょうか。
玄米や発芽玄米もフェルラ酸が多く含まれていますが、高齢者や認知症の方にとって、白米よりもパラパラしていて、やや硬い玄米は食べにくい場合があります。
白米と混ぜる、前日から洗っておく、土鍋で炊くなどの方法を試してみましょう。
ただし、日常の食事のなかで摂取できるフェルラ酸では、1日の摂取量として推奨されている50~125gに届かないことが多いので、手軽なサプリメントを活用してはどうでしょうか。
日々の食生活を工夫して、認知症の予防や進行の緩和を目指しましょうね。