認知症とたんぱく質の働きについて
認知症と、たんぱく質にはどんな関係性があるのでしょうか?
認知症であるなしに関わらず、毎日の食事において、たんぱく質は欠かすことのできない大切な栄養素です。
成長期にある若い方が筋肉をつけたいと思う時にも、「たんぱく質を摂りなさい」とはよく聞く言葉と言えるでしょう。
ここでは、そのたんぱく質が認知症の方に必要な理由とたんぱく質の働きについてご説明します。
認知症とたんぱく質の種類について
では、認知症についてのお話の前に、たんぱく質そのものについて触れて見ましょう。
たんぱく質は、主に主菜として食卓に並びます。
また、アスリートの方が摂取しているプロテインは、たんぱく質を主成分とするサプリメントです。
たんぱく質は、私たちの身体の血液、筋肉、臓器、皮膚、毛髪などをつくる働きをする栄養素で、消化されるとアミノ酸に分解されます。
とくに「必須アミノ酸」は体内で合成できないため、食事から摂る必要があるわけですね。
そんなたんぱく質は、「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」に分類されています。
動物性たんぱく質
牛肉、豚肉、鶏肉、魚類、卵、乳製品などが動物性たんぱく質です。
鶏肉ではササミ、魚類ではマグロなどにたんぱく質が多く含まれています。
認知症の方にバランスの良い食事を提供する際に、動物性たんぱく質を欠かすことはできません。
植物性たんぱく質
大豆製品などの豆類や穀類などに植物性たんぱく質が含まれています。
植物性たんぱく質は、脂肪を抑えてたんぱく質を効果的に摂取することができます。
大豆や豆腐などは内臓の機能不全を予防します。
認知症であるからこそ、健康寿命をのばしましょう。
たんぱく質を摂ることで、認知症の方の免疫力を高めることが可能です。
また、たんぱく質を摂ることは、長生きの秘訣でもあるのです。
次章では、たんぱく質の効果的な摂り方をご紹介しましょう。
認知症とたんぱく質の摂り方
認知症の方にとって、たんぱく質は欠かせない栄養素の一つと言えるでしょう。
医学博士の家森幸雄が提唱した、健康寿命を10年のばすことができるといわれている食品のなかにも、多くのたんぱく質が含まれています。
「孫はやさしいよ」
とおぼえてくださいね。
- ま・・・豆類、とくに大豆製品
- ご・・・ゴマ
- わ・・・ワカメなどの海藻類
- や・・・野菜
- さ・・・魚
- し・・・しいたけなどのきのこ
- い・・・イモ類
- よ・・・ヨーグルト
さて、たんぱく質が欠乏すると、認知症の方は老化を早めてしまいます。
しかし、たんぱく質を過剰に摂取すると、腎臓に負担がかかってしまいます。
とはいえ、高齢者や認知症の方は、食事制限のある場合や医師から減量の指示がある場合をのぞいて、おおむねたんぱく質の摂取量が不足しています。
栄養不足=たんぱく質が不足していると考えて、毎日の食事で効果的にたんぱく質を摂りましょう。
動物性たんぱく質
ササミのマリネや魚類を使ったホイル焼きを作ってみてはどうでしょうか。
認知症があり、嚙むことが困難な方には、カツオを荒く刻んだものと豆腐を使ってすり流し汁がおすすめです。
植物性たんぱく質
認知症があり、糖尿病の治療をしている方や食事制限がある方は、高野豆腐を使った煮物や納豆、手軽に大豆の缶詰を使った低カロリーのカレー、麻婆豆腐などを作ってみてはどうでしょう。
認知症の方にも柔らかくて食べやすいですよ。
プロテインサプリメントなどでたんぱく質を補給する場合は、かかりつけ医に相談してくださいね。