アルツハイマー型認知症の痙攣(けいれん)について
アルツハイマー型認知症の症状の一つに、痙攣(けいれん)があります。
痙攣というと、「ピクピクする」という感じをイメージすると思いますが、筋肉がイレギュラーな指令により動くことです。
痙攣は、アルツハイマー型認知症の合併症になりますが、介護者の方が最初に遭遇した時はとても驚かれるかも知れませんね。
今回は、アルツハイマー型認知症の痙攣についてお伝えします。
アルツハイマー型認知症の痙攣の原因と症状
アルツハイマー型認知症による痙攣の症状や原因についてお伝えしましょう。
アルツハイマー型認知症の痙攣の症状
- 体が弓ぞりになるように突っ張る
- 手足の筋肉がビクビクと動く
- 呼びかけても返事をしない
- 目が上転(上の方に寄る)している
- 一点を見つめてボーっとしている
- むやみに歩き回る
アルツハイマー型認知症の痙攣の原因
まず、筋肉は、脳神経からの指令を受けて動きます。
顔や体幹・手足の筋肉は、自分の意志で動かすことが出来ます。
心臓・胃・腸などの筋肉は、自律神経の支配を受けていて自分の意志では動かせません。
アルツハイマー型認知症に限らず、痙攣は、自分の意志で動かせる筋肉(随意筋:ずいいきん)と自分の意志で動かせない筋肉(不随意筋:ふずいいきん)のどちらにも起こります。
痙攣が起きる原因は、異常な神経の興奮により、神経からのイレギュラーな信号が筋肉に伝わるためです。
激しい運動の後に、手足の筋肉がピクピクと動く痙攣を体験した方は、少なくないでしょう。
運動後の痙攣は、全身の筋肉に及ぶことはありません。
しかし、「てんかん」という病気では、全身の筋肉の痙攣が起こります。
てんかんは、脳の中で異常な電波が発生して、全身の筋肉の痙攣などを起こす病気です。
アルツハイマー型認知症が重度になった場合、脳の中に多量に変性した脳細胞が存在します。
それらが異常な電波を発生すると、「てんかん発作」が起こり痙攣が起こります。
脳出血や脳梗塞でも、てんかん発作による痙攣は起こります。
アルツハイマー型認知症で痙攣の時の対応
アルツハイマー型認知症で急に痙攣が起こると、周囲の人はたいてい慌ててしまうでしょう。
けいれん発作は、15秒程度で自然におさまることが多いものです。
痙攣の時には、アルツハイマー型認知症の方が倒れてケガをしないように、イスに座らせたり床に寝かせたりしましょう。
手足を押さえつけたり、舌を噛まないようにと口の中にタオルを詰めるなどの必要はありません。
発作が落ち着いたら、医療機関を受診しましょう。
痙攣の診断には、
- 痙攣の前の状況
- 痙攣の起こった時の様子
- 痙攣の続いた時間
などの情報が役立ちます。
ですから、アルツハイマー型認知症で痙攣を起こした際には、これらをよく観察しておきましょう。
アルツハイマー型認知症で痙攣を起こすのは、たいてい重度になってからです。
アルツハイマー型認知症で痙攣が起こった場合は、床に寝かせて安静にしましょう。
痙攣が収まったら、医療機関を受診しましょう。