アルツハイマー型認知症と運動障害の関係性について
アルツハイマー型認知症と運動障害の間には、何か関係性があるのでしょうか?
高齢になると、足腰が弱ったり手が振るえたりするなど、運動障害を起こす人を多く見かけますね。
足腰が弱くなるのは、筋力の低下や姿勢の悪さによる場合が考えられます。
脳や神経の障害により、足腰が弱ったり震えが出る場合もあります。
そんな中で、アルツハイマー型認知症でも、足腰が弱ったり振るえたりする運動障害が出るという話があります。
今回は、アルツハイマー型認知症と運動障害についてお伝えします。
アルツハイマー型認知症で運動障害を起こす原因は?
アルツハイマー型認知症の場合、運動障害を起こすのは遅く、アルツハイマー型認知症が重度になってからです。
運動障害を起こす原因
- 大脳皮質の運動野の障害
- 大脳基底核(脳の中心部)の障害
- 小脳の障害
- 脊髄神経の障害
- 筋力低下によるもの
脳血管性認知症では、大脳皮質や小脳の障害により早期から運動障害が起こります。
レビー小体型認知症では、大脳基底核の障害により手の振るえが起こります。
アルツハイマー型認知症では、注意力の低下や空間認識力の低下があります。
そのため、アルツハイマー型認知症の方は、慣れない場所でつまずいたり、無理な姿勢によってバランスを崩して倒れることがあります。
それにより、骨折して運動障害を併発することがあります。
アルツハイマー型認知症が重度になってくると、脳全体の萎縮が起こり意欲の低下がみられます。
自分から動かなくなる事により、筋力の低下が起こり運動障害となります。
アルツハイマー型認知症の運動障害の対策と注意点
アルツハイマー型認知症で比較的早期から起こる運動障害の原因は、骨折などによるものでしょう。
高齢者が転んで起こしやすい骨折は、大腿骨頚部(足の付け根)の骨折です。
転んで尻もちをつき、胸椎や腰椎の圧迫骨折を起こす場合もあります。
骨折した当初は痛みが強いので、動くことを嫌がります。
アルツハイマー型認知症では、転んだことを忘れてしまう場合があります。
ですから、アルツハイマー型認知症の人が痛みを訴えたり、動きたがらない場合は、骨折の有無を確認しましょう。
アルツハイマー型認知症の人が転ばないように、部屋の中は「整理整頓」しておくことも大切です。
また、重度のアルツハイマー型認知症で運動障害になった場合は、寝かせきりにしないようにしましょう。
イスに座っているだけでも、筋力維持になります。
可能であれば、支えてもよいので立って歩くようにしましょう。
立つことにより、脳への刺激が格段に増えます。
アルツハイマー型認知症で運動障害が起こるのは、重度になってからです。
しかし、注意力低下などで転びやすくなったりします。
アルツハイマー型認知症の人が転ばないように、部屋の整理整頓に努めましょう。