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アルツハイマー型認知症の症状「失語」について

アルツハイマー型認知症 失語

 

アルツハイマー型認知症の症状の一つに「失語」があります。

 

失語症と聞くと、あなたはどんなイメージを持ちますか?

 

「話せないなら書けばいい」「書けないなら文字を指させばいい」

 

こんなイメージでしょうか?

 

しかし、失語症はもう少し複雑です。

 

失語症は、アルツハイマー型認知症の「中核症状」の1つなのです。

 

アルツハイマー型認知症だけでなく、「脳出血」や「脳梗塞」でも起きる症状が「失語」です。

 

今回は、アルツハイマー型認知症の中核症状の1つでもある「失語」についてお伝えします。

アルツハイマー型認知症の症状としても起こる失語とは?

アルツハイマー型認知症の症状による「失語」の前に、会話について少しご説明します。

 

会話が成立するためには、いくつかのステップが正しく行える必要があります。

 

  1. 音が聞こえる
  2. 言葉として理解できる
  3. 意味が理解できる
  4. 自分が話したいことを考える
  5. 口、のど、呼吸などを思うように動かせる
  6. 相手に伝わるように話せる
  7. 単語の知識がある
  8. 文章として構成できる知識がある

 

このうちの⑤の「口、のど、呼吸などを思うように動かせる」が障害された場合は、「構音障害」となります。

 

失語症の特徴的なものには、「運動性失語」と「感覚性失語」があります。

 

「運動性失語」とは、言いたい言葉がなかなか出てこない、たどたどしい話し方になります。

 

「感覚性失語」とは、「それだから、てがいうてもらうとしますか」のように、話し方は流暢ですが意味が通じない、おかしな言葉という状態になります。

 

これは、脳の言語をつかさどる部分のどこが障害されたかにより、分かれます。

 

脳出血や脳梗塞では障害が限局的なので、運動性失語か感覚性失語のどちらかが起こるというケースがあります。

 

ところが、アルツハイマー型認知症による失語の症状では、広い分野が全体的に障害されます。

 

そのため、この両方の症状が合わさって見られます。

アルツハイマー型認知症の症状である「失語」を詳しく

アルツハイマー型認知症によって失語の症状が現れる場合、初期では「名詞」が出にくくなります。

 

これは、「記憶の障害」とされます。

 

しかし、適切な単語が出てこないという点では、「運動性失語」ともいえる症状でしょう。

 

アルツハイマー型認知症が進むと、会話の中で「あれ」「これ」という代名詞が増えます。

 

「若い時にはね、あれでこうしたでしょ。一生懸命ね、こうしてこうしたのよ。」

 

私の経験した、アルツハイマー型認知症の方の話です。

 

笑顔で手ぶりも交えて、一生懸命お話ししてくれます。

 

でも、意味は全くわかりません。

 

アルツハイマー型認知症がもっと進行すると、脳の障害は言語をつかさどる分野だけでなく、脳全体の障害となります。

 

考えることや、話をしようという意欲も少なくなります。

 

そうなると、言葉だけでなく「顔の表情」も乏しくなります。

 

この頃では、言葉や単語の意味が、理解できなくなっているのかもしれません。

 

言葉は、他人とコミュニケーションをとる上で、必要不可欠のものです。

 

失語という症状は、伝えたいことが伝わらないので、本人と周囲の人の双方のストレスになります。

 

認知症の人が何かを訴えている時には、ゆっくりと接することを心掛けたいものです。

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