アルツハイマー型認知症で誤嚥するって、どういうこと?
アルツハイマー型認知症で「誤嚥」するとは、どういうことを現すのでしょうか??
「誤嚥」は、食べ物や飲み物を間違って飲み込むことです。
誤嚥は、高齢になるほど起こしやすく、アルツハイマー型認知症でも例外ではありません。
では、アルツハイマー型認知症で「誤嚥」を起こすとどうなるのでしょう。
誤嚥を予防する方法はあるのでしょうか。
今回は、アルツハイマー型認知症と誤嚥の原因や、予防法についてお伝えします。
アルツハイマー型認知症で誤嚥を起こす原因
まず、アルツハイマー型認知症で誤嚥を起こす原因についてお伝えします。
人体の構造では、呼吸のための気道は前に、食道は気道の後ろに位置します。
食べ物や飲み物は、口から食道に運ばれて胃に到達します。
この時に呼吸のための気道は、一時的にふさがれます。
食物がのどの奥に運ばれる→気道がふさがれる→食物が食道に送られる
この一連の動きを「嚥下(えんげ)」といいます。
嚥下が正しく行われないことが「誤嚥」で、食物などが気管に入ってしまうことです。
嚥下が正しく行われるためには、脳から正しい指令が送られる必要があります。
アルツハイマー型認知症では、嚥下の為の指令が障害されるケースはほとんどありません。
脳血管性認知症やパーキンソン病・レビー小体型認知症では、マヒや振るえなどの運動障害が起こります。
そのため、嚥下の指令もマヒしてしまうケースが多く見られます。
しかし、アルツハイマー型認知症で誤嚥を起こす原因は以下の2つが考えられます。
誤嚥の原因(1)栄養障害
アルツハイマー型認知症では、食事をする意欲が低下して極端な栄養障害を起こす場合があります。
嚥下するためには、舌やのどの筋肉がしっかり動かなくてはいけません。
ところが、栄養障害になると舌やのどの筋力低下が起こり、誤嚥する危険性が高くなります。
誤嚥の原因(2)薬剤の影響
アルツハイマー型認知症では、眠れないからと睡眠薬を飲む場合もあります。
怒りっぽくなったり興奮しやすくなったりすることを抑えるために、鎮静効果のある薬を飲むこともあるでしょう。
その場合、舌やのどの筋肉が必要以上に弛緩(しかん)して、寝ている間に唾液が気道に流れ込み誤嚥する場合もあります。
誤嚥すると、通常なら激しく咳き込みます。
ムセるともいいますね。
誤嚥を繰り返すと、肺炎になり発熱します。
肺炎は重症化すると、命にかかわる状態となります。
アルツハイマー型認知症で誤嚥を予防する方法
アルツハイマー型認知症で誤嚥を予防するためには、しっかりと食べて栄養をつけておくことがよいでしょう。
アルツハイマー型認知症の人は、食事のメニューも単調になりがちです。
肉・魚・卵・大豆製品などもしっかりと食べて、筋力が低下しないように支援しましょう。
食事をしていないとき、おしゃべりしたり、歌を歌ったりして、口やのどを動かすことも誤嚥予防にはよいでしょう。
よく噛めるように歯や入れ歯の手入れも、忘れずに行いましょう。
アルツハイマー型認知症で誤嚥を予防するためには、食事中以外の状態を知ることも大切です。
鎮静効果のある薬を飲んでいる場合には、飲む量や飲んだ後の状態をよく見ておきましょう。
寝ている間にムセているようなら、医師に相談しましょう。
アルツハイマー型認知症で誤嚥を起こす原因には、舌やのどの筋力低下や薬の影響が考えられます。
アルツハイマー型認知症の人の誤嚥を防ぐためには、栄養管理、口やのどの筋肉を動かすこと、飲み薬に注意することがよいでしょう。