アルツハイマー型認知症の感情失禁について
アルツハイマー型認知症の方に現れる症状の一つに「感情失禁」というものがあります。
「失禁」とは、尿や便が無意識に漏れ出てしまうという意味です。
アルツハイマー型認知症の感情失禁とは、感情が自分でコントロール出来ない状態といえるでしょう。
介護者の方が驚いたり、慌てたりしやすい症状の一つだと思います。
今回は、アルツハイマー型認知症の「感情失禁」についてお伝えします。
アルツハイマー型認知症感情失禁の原因と症状
アルツハイマー型認知症の人は、些細なことで怒りだしたり泣き出したりという症状があります。
これを「感情失禁」といいます。
感情失禁は、アルツハイマー型認知症に限らず、脳血管障害や精神疾患でも起こります。
感情失禁は、「情動調節障害」ともいいます。
感情失禁は、脳の「前頭葉」という部位の障害によると考えられています。
近年の研究では、脳の中心部の視床・視床下部から橋・小脳の神経経路の障害という説もあります。
アルツハイマー型認知症の感情失禁の症状
- ささいなことで怒る
- ささいなことで泣く
- 悲しみを感じているようなのに笑い出す
- 常識的な範囲の感情表現ではないことを、本人が気にしていない
アルツハイマー型認知症の感情失禁の対応
アルツハイマー型認知症の人に感情失禁の症状が出ている時には、介護者や周囲の人が慌てないことが大切でしょう。
アルツハイマー型認知症の感情失禁が出ている時の対応方法
ゆっくり近づき、どうしたのか尋ねましょう。
アルツハイマー型認知症の人は、すぐに的確には答えられないでしょう。
どのようなことを見聞きして、何を感じているのか(何かに困っているのか)を聞き出しましょう。
怒っている原因がつかめたら、それに対処しましょう。
アルツハイマー型認知症の人が泣いて(怒って)いるからといって、共感する必要はありません。
介護者や周囲の人が感情失禁に共感しても、ストレスが大きくなるだけでメリットはありません。
アルツハイマー型認知症の人が度々感情失禁を起こすならば、何か引き金になる事柄があるかもしれません。
食事の内容だったり、何かが上手く出来ないなどかもしれません。
介護者や周囲の人は注意深く観察して、感情失禁の引き金になりそうな事柄を避けるようにしましょう。
ほんの少し手助けして、アルツハイマー型認知症の人が「自分で出来た」という自信が持てると、感情失禁を避けることが出来る場合があります。
アルツハイマー型認知症の感情失禁は、感情のコントロールが出来なくなる障害です。
過剰表現されているので、共感することは介護者のストレスにつながります。
アルツハイマー型認知症の人の話を聞いたり、状況を観察するなど冷静に対応しましょう。