アルツハイマー型認知症の注意障害について
アルツハイマー型認知症には、「注意障害」という症状があります。
たとえば、テレビを見るのが好きだった人が、テレビを見なくなったと思ったらアルツハイマー型認知症だった。
このようなケースは、よく見られます。
アルツハイマー型認知症の人がテレビを見なくなるのは、内容が理解出来なくなるからです。
アルツハイマー型認知症の方は、会話は出来るのに、なぜテレビの内容は理解出来ないのでしょう。
それは、「注意障害」があるためです。
今回は、アルツハイマー型認知症の注意障害についてお伝えします。
アルツハイマー型認知症の注意障害の症状とは?
アルツハイマー型認知症の注意障害とは、どんな症状のことを言うのでしょうか?
アルツハイマー型認知症の「注意障害」とは、自分に必要な情報に意識を集中・選択することが出来ない障害です。
アルツハイマー型認知症の注意障害の症状
- 一度に複数の事が出来ない
- 一つの事に集中出来ない
- 周りの状況の判断が出来ない
- ボーっとしていることがある
- 空間の片側を見落としやすい
注意障害は、アルツハイマー型認知症が、やや進んだ中期に見られる症状です。
テレビでは、音楽と映像に会話が加わるなどして、複数の情報が一度に入ってきます。
アルツハイマー型認知症による注意障害があると、それらの情報の優先順位をつけられなくなります。
結果として、どのような内容か分からなくなってしまいます。
アルツハイマー型認知症の注意障害の症状が進んでくると、食事中に誰かが近くを通ったり誰かが会話をしていると、食事を止めてしまうなどの場合があります。
注意力を維持できる時間が低下して、食事を途中で止めてしまうこともあります。
アルツハイマー型認知症の注意障害の対応や注意点
アルツハイマー型認知症で「注意障害」がある場合には、落ち着いた環境で過ごせるようにしましょう。
ザワザワした場所では、話が理解しにくい場合があります。
出来るだけ静かな場所で、ゆっくりと話しましょう。
話しをする場合には、アルツハイマー型認知症の人の正面から話しかけましょう。
介護者する方が行動を指示する場合には、一つの動作が終わったら次の動作を指示するようにしましょう。
言葉で指示しても伝わりにくいと感じたら、軽く手を添えるなどして具体的に伝えましょう。
アルツハイマー型認知症で「注意障害」がある場合には、同時に複数の事柄を処理することが苦手となります。
落ち着いた環境で過ごすことが望ましいでしょう。
ただし、無味乾燥した空間がよいワケではありません。
音楽を楽しむ、戸外を散歩するなど、楽しく刺激を受けることは大切です。