アルツハイマー型認知症の人が夕方に落ち着かない?
アルツハイマー型認知症の人が夕方になるとソワソワするといったことはありませんか?
夕方になると「子供が待っているので帰ります」と、自分の家から出て行こうとしませんか?
アルツハイマー型認知症の人が夕方になると落ち着かなくなる症状を、「夕暮れ症候群」といいます。
今回は、アルツハイマー型認知症の夕方に起こる症状についてお伝えします。
アルツハイマー型認知症で夕方に起きる症状「夕暮れ症候群」とは?
アルツハイマー型認知症で夕方に起きる「夕暮れ症候群」についてご説明しましょう。
夕方になり周囲が薄暗くなってくると、なんとなく物悲しい思いになる方は多いのではないでしょうか。
仕事をしている人なら、終わらせて家に帰ろうとする時間帯ですね。
子育て中の方なら、夕食を作って食べさせなければとも思うでしょう。
アルツハイマー型認知症になっても、長年の生活習慣や夕方に物悲しくなるという感覚は健在です。
そこに、アルツハイマー型認知症による「記憶障害」と「見当識障害」により、論理的思考の障害が起こります。
見当識障害によってここがどこなのかわからない+夕方は忙しい(あるいは物悲しい)という感覚で、落ち着かないと考えられます。
アルツハイマー型認知症の人には度々見られる症状で、「夕暮れ症候群」と呼ばれます。
アルツハイマー型認知症で夕方に起きる「夕暮れ症候群」の対応方法
アルツハイマー型認知症の人が夕方にソワソワしたら、次の点に注意して対応しましょう。
病院や施設の場合、「治療(あるいは必要)だから家には帰れない」と言わないでください。
アルツハイマー型認知症の人が、否定されたり拘束されていると感じると、興奮したり暴力的になる場合があります。
自宅にいる場合でも、「ここが家でしょう」と言っても同様です。
アルツハイマー型認知症の人が「家に帰りたい」と言う場合、物理的な家でなく、人生で充実していた時間や場所である可能性があります。
なぜ家に帰りたいのか、アルツハイマー型認知症の人に聞いてみてください。
「子供が待ってるのよ」→「子供さんは何人ですか?子供さんは何歳ですか?」
「仕事が終わったから帰るよ」→「どんなお仕事をしているのですか?」
など、話した内容にまつわることを、いろいろと尋ねてみましょう。
内容により、「子供さんの食事は、他の家族が用意してくれます。」「私たちの仕事を少し手伝ってくれますか?」などと対応しましょう。
要は、「あなたがここに居てくれると、とても助かる」というメッセージを送るのです。
塗り絵やカラオケなど、アルツハイマー型認知症の人が好きなことをしてもらうと、そ
時間帯をやり過ごせます。
スタッフや介護者が「一緒にお茶を飲みましょう」と、アルツハイマー型認知症の人を誘ってみましょう。
周囲の人が忙しそうにしていると、それが伝わり落ち着かなくなるとも考えられます。
誰しもが物悲しくなる夕方。
その感覚はアルツハイマー型認知症になっても、健在です。
アルツハイマー型認知症の人が夕方にソワソワしたら、「ここに居てよい」「居てもらうと助かる」というメッセージを送りましょう。