アルツハイマー型認知症の症状の段階とは?
アルツハイマー型認知症の症状は、どんな段階を経て進んで行くのでしょうか?
アルツハイマー型認知症の研究は、世界中で行われています。
しかし、今の医療では、症状の段階が進行するのを遅らせることしかできません。
アルツハイマー型認知症は、どのように進行していくのでしょう。
また、進行にともなう症状の段階は、どのように変化していくのでしょう。
今回は、アルツハイマー型認知症による症状の段階についてお伝えします。
アルツハイマー型認知症の症状の段階~初期
アルツハイマー型認知症の症状には、初期と呼ばれる段階があります。
アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞の変性(減少)によって起こります。
アミロイドβやタウという特殊なたんぱく質が、少しずつ段階的に脳の神経細胞に溜まることが原因です。
一説では、これらの特殊たんぱく質が溜まり始めてから、10年以上で症状が出るといわれます。
若年性アルツハイマー型認知症では、40代で症状が発症するケースもあります。
この場合、30歳代という段階で「特殊たんぱく質」が溜まり始めていることになりますね。
アルツハイマー型認知症の初期では、脳の海馬という部分の障害(萎縮)が起こります。
海馬は、記憶に重要な働きをする部位です。
アルツハイマー型認知症の段階初期の症状
- 数分前、数時間前の出来事を忘れる(覚えていない)
- 同じ品物(シャンプーや調味料など)をくり返し買う
- 同じ話を繰り返す
アルツハイマー型認知症の症状の段階~中期から末期
アルツハイマー型認知症による症状の、中期~末期の段階についてご説明します。
アルツハイマー型認知症の症状の段階が進むと、脳の側頭葉や頭頂葉に障害(萎縮)が起こります。
側頭葉は、音や形の記憶、言葉の理解などを行う部位です。
感情表現などにもかかわります。
頭頂葉は、方向や前後左右などの空間認識にかかわる部位です。
計算する、絵を描くなどにもかかわります。
アルツハイマー型認知症の症状の段階~中期
- お金の計算などができなくなる
- 慣れた場所(家の中など)でも迷子になる
- 大声や暴言がある
- 料理や運転など慣れたことができなくなる
- 会話で「アレをこうして」など、名詞や動詞が出てこなくなる
では、最後にアルツハイマー型認知症の症状の段階「末期」ついてご説明します。
アルツハイマー型認知症の症状の段階~末期
アルツハイマー型認知症の症状の段階が末期になると、前頭葉にも障害(萎縮)が起こります。
前頭葉は、意思や意欲、人間らしさにかかわる部位です。
- 入浴や着替えを嫌がる
- 食事を食べようとしない
- 家族の顔がわからない
- 尿意や便意がわからない
- 意思の疎通が困難になる
残念ながら、アルツハイマー型認知症を完治させる方法は見つかっていません。
しかし、薬での治療や生活環境を整えることで、アルツハイマー型認知症の症状の進行を遅らせることができるかもしれません。
そうすれば、健康で活躍できる時間を延ばすことができるでしょう。