レビー小体型認知症の予防について
「レビー小体型認知症」という病名は、まだまだ知らない人が多い認知症ではないでしょうか?
では、「パーキンソン病」ではどうでしょう。
「パーキンソン病なら聞いたことがある」という方は多いかもしれませんね。
実は、パーキンソン病とレビー小体型認知症の原因は同じと考えられています。
レビー小体型認知症は、予防できるのでしょうか?
今回は、レビー小体型認知症の予防などについてお伝えします。
レビー小体性認知症は予防できるのか?
「レビー小体型認知症」と「パーキンソン病」は、神経細胞に「レビー小体」というタンパク質のかたまりが出来ることによって起こります。
パーキンソン病の症状には、手の震え・小刻み歩行・動き出しにくさなどがあります。
これは、レビー小体が大脳皮質以外の神経細胞にできたために、神経の伝達に障害を起こしていることが原因です。
一方、レビー小体型認知症では、大脳皮質の神経細胞にレビー小体ができます。
レビー小体型認知症では、幻視などの視覚異常・睡眠障害や睡眠時の異常行動・意識レベルの変動などの症状が起こります。
レビー小体ができるのは、「大脳皮質の神経細胞だけ」あるいは「大脳皮質以外の神経細胞だけ」ではありません。
レビー小体型認知症は、「レビー小体」が起こす全身性の病気と考えられています。
最初はパーキンソン病だった人に、レビー小体型認知症の症状が出て来るということも多々あります。
また、レビー小体型認知症の人にパーキンソン病の症状が合併しているということも多いのです。
なぜ「レビー小体」というかたまりが大脳皮質などの神経細胞にできてしまうのかは、まだ分かっていません。
そのため、レビー小体型認知症もパーキンソン病も予防することは難しいのが現状です。
レビー小体性認知症を疑ったらどうする?
レビー小体型認知症の初期症状や特徴
- うつ症状、うつ状態
- 睡眠障害、大声の寝言、くり返し悪夢を見るなど
- 嗅覚異常、臭いがしないなど
- 幻視、見間違い(錯視)
- 自律神経失調の症状、めまい、立ちくらみなど
- 記憶障害は目立たない
レビー小体型認知症は、診断が難しい病気でもあります。
「私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活」(ブックマン社)の著書の樋口直美さんは、初期にうつ病と診断されたと語っています。
レビー小体型認知症では「とてもリアルな幻視」が見えるケースもあり、「統合失調症」などの精神疾患と診断されてしまう可能性もあります。
うつ病や精神疾患の治療薬を飲んで、体調が悪くなったり症状が改善しない場合は、レビー小体型認知症を疑う必要があるかもしれません。
レビー小体型認知症は予防が困難な認知症の1つです。
うつ病や精神疾患の治療を続けても症状が改善しない場合は、認知症専門医の受診も検討しましょう。