レビー小体型認知症の幻覚について
レビー小体型認知症には、幻覚という症状がよく見られます。
レビー小体型認知症による幻覚を本当のことだと訴える本人を否定すると、興奮させてしまう場合があります。
では、レビー小体型認知症の幻覚には、どのように接し、どのような対策をしたらよいのでしょうか?
今回は、レビー小体型認知症の幻覚という症状についてお伝えします。
レビー小体型認知症の幻覚の原因
幻覚とは、実際に無いものを見たり聞いたり感じたりすることです。
レビー小体型認知症の幻覚の症状には、次のような種類があります。
- いない人やいない動物が見える(幻視)
- 他の人には聞こえない音や声が聞こえる(幻聴)
- 近くに何かがいる感覚(実体的意識性)
- 閃光や模様が見える幻視(要素性幻視)
- 体に虫が這う、体の臓器が無くなったとなどと感じる(体感幻覚)
レビー小体型認知症では幻覚の症状が出やすく、およそ80%にみられるというデータもあります。
幻覚は、レビー小体型認知症以外にも統合失調症、アルコール中毒、てんかんなどの脳の障害で見られます。
レビー小体型認知症(145例)の幻覚の出現例
(滋賀県立成人病センター調べ)
- 人の幻視(66.9%)
- 動物や虫の幻視(30.3%)
- 実体的意識性(27.6%)
- 物体の幻視(24.1%)
- 要素性幻視(6.9%)
- 幻聴(6.2%)
- 体感幻覚(2.1%)
レビー小体型認知症の幻覚では、幻視が出現する割合が高くなっています。
それは、レビー小体型認知症では、脳の後頭葉という部分から障害が始まるからです。
後頭葉には視覚野という、見たものを映像化する部位があります。
レビー小体型認知症では、早期から後頭葉の障害が起こるため幻視が出現しやすくなると考えられます。
レビー小体型認知症の幻覚の対策と注意点
レビー小体型認知症の幻覚は、本人にはとてもリアルに感じられるようです。
そのため、むやみに否定すると怒りだしたり興奮したりしてしまいます。
レビー小体型認知症の人に幻覚の症状が出ている場合は、何を見たり感じたりしているかキチンと話を聞きましょう。
レビー小体型認知症の人は、幻覚に恐怖や不安を感じている場合があります。
自分を襲ってくるのではないか、何か害があるのではないかと感じています。
レビー小体型認知症の人に幻覚の症状が出ている場合には、感じているものには害が無いこと、大丈夫だと伝えて安心させてあげましょう。
幻覚は、レビー小体型認知症の症状としてよく見られるものです。
レビー小体型認知症の幻覚は、とてもリアルで、ご本人に恐怖や不安を抱かせます。
大丈夫だと説明して、レビー小体型認知症の人を安心させてあげましょう。