レビー小体型認知症と「うつ」について
レビー小体型認知症には、「うつ症状」があります。
ふつうの人でも「うつ」「うつ病」という言葉はよく聞きますし、今や社会問題になっているとも言えるでしょう。
では、レビー小体型認知症の人の場合、なぜうつ症状が出るのでしょうか?
そして、そんなうつ症状には、どのように対策したらよいのでしょうか?
今回は、レビー小体型認知症のうつについてお伝えします。
レビー小体型認知症のうつ症状の原因
レビー小体型認知症の方に「うつ症状」が出やすくなる原因はなんでしょうか?
まず、レビー小体型認知症では、脳の神経細胞間の電気的刺激が伝わりにくくなります。
脳神経のネットワークが乱れることによって、集中力が低下したり、何かの物事を遂行するために多くのエネルギーを使うようになります。
これが、頭痛・倦怠感・不安・気力の低下につながり、うつ症状を発症します。
また、レビー小体型認知症では、レム睡眠行動障害という症状が起こります。
このレム睡眠行動障害によって熟睡感が得られないことから、不眠を訴えるレビー小体型認知症の人は多く見られます。
実は、頭痛・倦怠感・不安・気力の低下・不眠は、うつ病の症状と同じです。
そのため、レビー小体型認知症が初期で軽度の場合、うつ症状が目立つことによって「うつ病」と診断されてしまうこともあります。
レビー小体型認知症のうつの対策と注意点
レビー小体型認知症による「うつ症状」への対策や注意点についてお伝えしましょう。
まず、レビー小体型認知症のうつ症状は、薬での治療が困難な場合があります。
それは、レビー小体型認知症に「薬物の過敏性」があるためです。
ですから、うつの治療薬を内服する場合には、レビー小体型認知症と診断されていることも医師に伝えましょう。
副作用が強く出る場合もあるので、内服を始めてから体調が悪くなった場合には、速やかに医師に相談しましょう。
レビー小体型認知症は、体調の変化が大きい病気です。
日常の予定は、余裕をもって考えましょう。
ストレスで、頭痛・不安・倦怠感などのうつ症状が悪化する場合もあります。
疲れすぎないように注意しましょう。
レビー小体型認知症の人が無気力に見えても、無理に活動を促すことは控えましょう。
レビー小体型認知症は、判断力や記憶力は保たれているので、ご本人と相談しながら物事を進めることが大切です。
レビー小体型認知症には、多くの例で「うつ症状」が見られます。
薬物過敏性があるので、抗うつ薬の内服には注意が必要です。
レビー小体型認知症のうつ症状は、疲労やストレスで増強します。
無理のないペースで生活できるようサポートして行きましょう。