レビー小体型認知症の痙攣(けいれん)について
レビー小体型認知症の症状に「痙攣(けいれん)」があります。
痙攣は、突発的に始まるというケースも多く見られ、介護者の方がビックリしてしまう症状の一つでもあります。
レビー小体型認知症の痙攣は、一見、パーキンソン病の「振るえ」との見分けがつきにくく、診断が難しいものです。
今回は、レビー小体型認知症の痙攣についてお伝えします。
レビー小体型認知症の痙攣の症状と原因
レビー小体型認知症の方に痙攣が起きてしまう原因は何でしょうか?
まず、レビー小体型認知症は、脳の細胞内に「レビー小体」というタンパク質の塊が出来ることによって発症します。
レビー小体型認知症は、脳の後頭葉や側頭葉という部位から障害されていきます。
側頭葉の障害により、「側頭葉性複雑部分発作」という痙攣を起こします。
レビー小体型認知症に起こりやすい「側頭葉性複雑部分発作」の痙攣の症状
- 3~5分程度の意識障害
- 口をモグモグさせたり、手をソワソワと動かす自動症
- 発作前、発作中の記憶の障害
- 会話が困難になったり動作が停止する
- 発作後にウロウロと歩き回る
レビー小体型認知症の痙攣は、てんかんの大発作のように、全身がガクガクと振るえる症状はありません。
レビー小体型認知症の痙攣は、パーキンソン病による手の振るえやアルツハイマー型認知症による記憶障害と混同されやすいです。
そのため、専門医でも見落としてしまう可能性があるといわれます。
レビー小体型認知症の痙攣への対策
前述したように、レビー小体型認知症の痙攣は、パーキンソン病やアルツハイマー型認知症の症状と混同されやすいので、注意が必要です。
次のような状態がある場合は、レビー小体型認知症の痙攣の可能性があるので専門医に相談しましょう。
- 良い状態の時と悪い状態の時の落差が大きく、変動を繰り返す
- エピソードごと記憶が抜けている時と、覚えている時が混在する
- 頻繁に行動が止まったり意識障害が起こる
- 無意味にボタンをいじったり、口をモグモグさせる自動症がある
- 自動症が止まったり始まったりを繰り返す
- 眠っている間に痙攣がある
レビー小体型認知症の治療薬であるドネペジル塩酸塩は、「側頭葉性複雑部分発作」の痙攣を起こしやすくしてしまう副作用があります。
ドネペジル塩酸塩やガランタミン、リバスチグミンなどの認知症の治療薬を内服してから前記のような痙攣が頻発するなら、専門医に相談しましょう。
レビー小体型認知症の痙攣は、「側頭葉性複雑部分発作」による場合が考えられます。
認知症治療薬を飲み始めてから、意識の変動や行動の停止、手や口の自動症があれば専門医に相談しましょう。