レビー小体型認知症の首下がりについて
レビー小体型認知症には、首下がりという症状があります。
文字通り、首が下がった状態になっていることです。
レビー小体型認知症の首下がりの症状の原因には、以下の2つが考えられます。
一つ目は、レビー小体型認知症と似ているパーキンソン病による場合。
二つ目は、薬の副作用によるものです。
今回は、レビー小体型認知症の首下がりの症状についてお伝えします。
レビー小体型認知症の首さがりの症状
レビー小体型認知症の首下がり症状では、首をまっすぐに保つことが困難になります。
自分の力で首をまっすぐに出来るのですが、姿勢を保てるのは短時間です。
歩こうとしても首下がりの姿勢になってしまい、前が見えにくく歩けなくなります。
座った姿勢でも首下がりの姿勢では、飲み込みにくくなり食事を続けることが困難になります。
首下がりの症状は、レビー小体型認知症だけでなく、他の神経疾患や頚椎症などでも見られます。
レビー小体型認知症で首下がりの症状が出現した場合、パーキンソン病によるものと考えられがちです。
なぜなら、パーキンソン病は、レビー小体が脳幹部に多く出現する病気だからです。
そのため、レビー小体が大脳皮質に出現するレビー小体型認知症と、症状似ている場合が多いのです。
レビー小体型認知症で首下がりの症状が出現すると、病気が進行したと考えられ見過ごさられる場合があります。
レビー小体型認知症の首下がりの症状は、ドネペジル塩酸塩の副作用である場合もあります。
2010年の「臨床神経」には、レビー小体型認知症で18か月間ドネペジル塩酸塩5mgを服用して、頚部ジストニアによる首下がり症状を発症した1例の報告があります。
あるサイトでも、アルツハイマー型認知症でドネペジル塩酸塩を7か月服用して、首下がり症状が出現したという記事があります。
これらの例から、ドネペジル塩酸塩では首下がりの症状が出現する可能性があることがうかがわれます。
レビー小体型認知症で首下がり症状の可能性がある薬剤
- ドネペジル塩酸塩(認知症治療薬)
- βブロッカー(高血圧、不整脈、心不全の治療薬)
- ベンゾジアゼピン系睡眠薬
レビー小体型認知症の首下がりの対策と注意点
レビー小体型認知症で首下がりの症状が出現した場合、早期に医師に相談しましょう。
レビー小体型認知症では、首下がりの症状が薬剤の副作用の可能性があります。
内服している全ての薬剤について、医師とレビー小体型認知症の人や家族と検討する必要があるでしょう。
薬剤を変更・減量しても、直ぐにはレビー小体型認知症の首下がり症状が改善しないこともあります。
その間は、首に「頸椎カラー」を巻いたり、「鎖骨のバンド固定」をする方法があります。
頸椎カラーや鎖骨固定バンドについては、整形外科医が専門です。
姿勢の維持には、リハビリテーションも有効と考えられます。
いずれもレビー小体型認知症の主治医に、よく相談しましょう。
レビー小体型認知症の首下がりの症状は、パーキンソン病の進行・悪化や薬の副作用の可能性があります。
病気が悪化したと諦める前に、薬の副作用の可能性を考慮して医師とよく相談しましょう。