レビー小体型認知症の寿命はどのくらい?
レビー小体型認知症になった方の寿命については、気になるという方が多いと思います。
どんな病気でも、「治るのか、治らないのか」は大きな問題ですね。
レビー小体型認知症は、どうなのでしょう。
治るのか、治らないのか、治らないなら寿命はどのくらいなのか・・・。
レビー小体型認知症の診断を受けた方やご家族なら、とても心配になりますね。
今回は、そんなレビー小体型認知症と寿命についてお伝えします。
レビー小体型認知症の方が寿命を迎えるまでは過酷か?
レビー小体型認知症の寿命のお話の前に、レビー小体型認知症は、他の認知症に比べて過酷な状況はあるのでしょうか?
「レビー小体型認知症は辛い」
「レビー小体型認知症の介護はタイヘン」
こんな文字がネット上で見受けられます。
私の経験では、このような言葉に違和感を感じます。
レビー小体型認知症は、脳の細胞に「レビー小体」というかたまりができていく病気です。
このレビー小体は、急激に増えることはないと考えられています。
そのため、病気の進行はゆっくりです。
レビー小体型認知症の症状では、
- 幻視(幻覚)や妄想が激しい
- 抹消神経障害により、動ける時と動けない時の差が激しい
- 薬の作用(副作用)が出やすい
などにより、患者さんの状態の変化が大きくなります。
身近にいる家族や介護職員は、戸惑い、対応に苦慮する可能性があります。
このような面のみを取り上げて、「レビー小体型認知症は辛い」「介護がタイヘン」と表現されるのではないかと考えます。
レビー小体型認知症と寿命には個人差がある
では、あらためてレビー小体型認知症と寿命について触れてみましょう。
レビー小体型認知症に限らず、どんな病気でも「個人差」がありますし、それは寿命についても同様です。
「がん」でも進行の状態、症状の表れ方により、痛みが強く出る方、さほど痛まない方と様々です。
レビー小体型認知症の寿命は、3~7年といわれます。
がん細胞は、状況によっては急激に増殖する場合がありますが、そうなれば寿命は一気に縮まるでしょう。
しかし、レビー小体が急激に増殖することは無いと考えられます。
「寿命3~7年」とされる要因には、病気の診断の難しさがあると思います。
レビー小体型認知症は、ときに専門医でも診断に迷う病気です。
ブログなどでも、「最初はうつ病と診断された」「最初はアルツハイマーといわれた」という体験談が寄せられています。
もし、脳の細胞の一部を取り出して検査することができれば、比較的早期に正しい診断ができるのかもしれません。
でも、それはできません。
病状が進行してきて、初めて「レビー小体型認知症」と診断ができる場合もあります。
そうなると、「寿命は診断を受けてから3年」ということにもなるでしょう。
レビー小体型認知症と診断されたら、どのような病気なのか興味を持って調べて欲しいと思います。
ネット上で悲観的な言葉を見ても、「どの程度自分に当てはまるのか」と、距離を置いて考えてみてください。
神経内科医、脳神経外科医、精神科医などの認知症専門家医とタッグを組んで、療養されることを望みます。
混乱が強い時には、病院(認知症専門病棟・精神科病棟)、介護施設などに頼ることも必要でしょう。
レビー小体型認知症は、個人差が非常に大きいということを、忘れないで頂きたいと思います。