レビー小体型認知症の症状「寝言」で困ったら?
レビー小体型認知症の症状の一つである「寝言」についてご説明します。
寝ている人が夜中に突然大声で寝言を言って暴れたり、物を投げたりしたら、周りの人はびっくりしてしまいますね。
レビー小体型認知症の症状の1つに、このような激しい寝言があります。
これは、レム睡眠行動障害というものです。
レビー小体型認知症の症状として現れるこのような寝言は、対処法を間違えると、ケガをする場合もあるので注意が必要です。
今回は、レビー小体型認知症の症状の一つ「寝言」についてお伝えします。
レビー小体型認知症の症状で寝言が現れるレム睡眠行動障害とは?
レビー小体型認知症で寝言の症状が現れる「レム睡眠行動障害」についてご説明しましょう。
眠りには、深い眠りのノンレム睡眠と、浅い眠りのレム睡眠があることをご存知の方は多いと思います。
眠りに入ったばかりの時には、ノンレム睡眠の状態になります。
その後、80~120分経つとレム睡眠に移行します。
レム睡眠中には眼球が動いていることから、この名前が付けられました。夢を見ているのも、この時です。
通常のレム睡眠では、筋肉が緩んでいるので、動くことができません。
しかし、レビー小体型認知症で寝言が現れる「レム睡眠行動障害」の場合には、その症状が違います。
寝ているのに大声で寝言を言う、手足をバタバタさせる、布団から出てどこかに行こうとするなどの症状が見られます。
どうやら、夢と同じ行動をとっているようです。
レム睡眠行動障害は、一晩に2~3回みられることがあります。
レム睡眠行動障害の原因は?
(1)急性のもの:薬物中毒や薬物の離脱時
(2)慢性のもの:原因不明(およそ60%)、パーキンソン病、レビー小体型認知症、脳血管障害(脳梗塞・脳出血後遺症)、その他(炎症性の病気)
以上のように、レム睡眠行動障害で寝言を言っているからといって、すぐにレビー小体型認知症の症状とはいえません。
しかし、次のようなデータもあります。
- パーキンソン病の発症前(平均3年)に、レム睡眠行動障害が起きる
- レビー小体型認知症の発症前(平均9年)に、レム睡眠行動障害が起きる
寝言が激しい時などは、レビー小体型認知症の症状を疑うことも頭に置いておきましょう。
レビー小体型認知症で寝言の症状がひどい時の対処法
では、レビー小体型認知症で寝言の症状がひどい場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?
レム睡眠行動障害で、大声で寝言を言ったり暴れたりしている時には、危険な状況でない限り、あわてずに見守りましょう。
急に体を揺さぶる、体をたたくなどで、起こそうとしてはいけません。
レビー小体型認知症の症状で寝言を言っている時は、夢を見て興奮しているので、近くにいる人に攻撃的になる場合があります。
電気をつけて明るくするなどで、自然に目が覚めるようにしましょう。
心配な時や生活に支障が出るようなら、医師に相談しましょう。
レビー小体型認知症の症状による寝言であれば、抗精神病薬や抗不安薬が処方される場合があります。
ただし、これらの薬を飲むと、ふらつきが強くなる場合がありますので、飲む量やタイミングを医師と相談しながら、調節していきましょう。
レビー小体型認知症では、寝言が症状として現れる「レム睡眠行動障害」の他にも、幻視があったり、奇異な行動や興奮が見られる場合があります。
ご家族は戸惑うことと思いますが、遠慮なく医師に相談しましょう。
日中に適度な運動をすることで、レム睡眠行動障害を起こしにくくなる場合もあります。
気分転換を兼ねて、散歩などをすすめてみてはいかがでしょう。