レビー小体型認知症の作業療法について
レビー小体型認知症に作業療法という療法が行われることがあります。
作業療法というと「手の運動」と考える方が多いかもしれませんね。
作業療法は「普段の生活に必要な動作すべて」を訓練する療法です。
レビー小体型認知症にも「作業療法」が有効です。
今回は、レビー小体型認知症の作業療法についてお伝えします。
レビー小体型認知症の作業療法の内容と効果
レビー小体型認知症では、筋肉が固くなる・手が振るえるなどの症状があります。
これらの症状の進行を予防・改善するために、作業療法が有効です。
レビー小体型認知症の作業療法の内容
- 食事の動作
- トイレや着替えの動作
- 身だしなみの動作
- 入浴の動作
- 字を書く時の工夫
病院や施設に作業療法士がいる場合、レビー小体型認知症の人に必要な訓練動作をアドバイスしてもらうとよいでしょう。
レクリエーション活動も、レビー小体型認知症の作業療法になります。
レビー小体型認知症の作業療法になるレクリエーション活動
- 手芸、園芸など
- 折り紙、ぬり絵など
- カスタネット、タンバリンなどの簡単な楽器演奏
- パズル、かるた、俳句など
レビー小体型認知症の作業療法のやり方と注意点
レビー小体型認知症で作業療法を行う際には、次のことを注意しましょう。
例えば、歯磨きをする時には腕を上下に動かしますね。
しかし、レビー小体型認知症では「上げる」と「下げる」という反復変換の作業が苦手になります。
「上から下へ」という動作だけを意識すると、上手に動かすことができます。
例えば、布団から起き上がる際に布団をめくりながら、食事の際に左手で茶碗を持ちながらなど、2つの動作を一度に行おうとすると上手く出来ない場合があります。
起き上がる際に、まず布団をめくる、次に体の向きを変えて起き上がるなど、動作をひとつひとつ意識して行うことを心掛けましょう。
レビー小体型認知症の人は、ドアを開ける作業の際にドアに近寄り過ぎて転びやすくなる場合があります。
ドアの前の床にテープで目印をつけると、立ち止まる場所が分かりやすくなり転びにくくなります。
歩く時や方向転換の際には、「イチ、ニ、イチ、ニ」などと掛け声を出すと足が出やすくなります。
レビー小体型認知症の人は、「出来ない」「危ない」などと感じると、更に体がこわばり動けなくなります。
イスに座りながら、手すりにつかまりながらなど、安全な体勢で作業しましょう。
部屋の照明を明るくする、床にマットなどを敷かないという配慮も大切です。
レビー小体型認知症は高齢で発症することも多く、新しい作業動作を覚えにくくなると考えられます。
まだ出来ると思っても、早めに風呂やトイレに手すりをつける、浴槽に入る際には「またがず」に「ふちに座ってから」入るなどの動作を身に付けましょう。
レビー小体型認知症の作業療法は、日常生活の動作をしやすくする療法です。
作業療法士のアドバイスを受けられる場合は、積極的に相談しましょう。
楽しみながら行うレクリエーション活動も、レビー小体型認知症の作業療法になります。