レビー小体型認知症の運動療法について
レビー小体型認知症には、「体が動きにくい」「転びやすい」という症状があります。
これらの症状を改善するために、「運動療法」が効果的です。
では、レビー小体型認知症の運動療法とは、一体どのようなものなのでしょうか?
今回は、レビー小体型認知症の運動療法についてお伝えします。
レビー小体型認知症の運動療法の内容と効果
レビー小体型認知症に対する運動療法についてご説明しましょう。
レビー小体型認知症になると、筋肉がこわばり体が動きにくくなる、姿勢を保つことが障害されて転びやすくなるといった症状が出現します。
これらの運動障害を予防・改善するためには、運動療法が効果的です。
レビー小体型認知症に必要な運動療法
【ストレッチ】・・・肩・股関節・体幹の筋肉を柔軟に保つ
【体幹・足腰の筋力アップ】・・・椅子から立ち上がる力を保つ、歩行時の方向転換のバランスを保つ
レビー小体型認知症の運動療法は、身体への効果だけではありません。
手足や体幹を意識して動かすことで、脳の血流も促して脳の働きも活発にします。
つまり、身体と脳の両面に対して効果的な方法なのです。
レビー小体型認知症の運動療法のやり方と注意点
レビー小体型認知症の運動療法は、決して特殊な運動ではありません。
レビー小体型認知症の人に促すだけでなく、家族や介護者も一緒に行うと楽しく続けられるでしょう。
運動療法の注意点は、やり過ぎないことです。
たとえば、翌日まで痛みや疲れが残る場合は、運動量が多いと考えられますので、回数や時間を調整しましょう。
具体的な運動のやり方は、高知県高知市発祥の「いきいき百歳体操」をお手本にしてみましょう。
(インターネットに動画などが紹介されています)
イスに座りながらの運動が中心で、レビー小体型認知症で転びやすい方にも安全に行えます。
いきいき百歳体操
(1)イスに座って:深呼吸、体幹を伸ばすストレッチ、手首に重りをつけて腕の上下運動、足首に重りをつけて膝の曲げ伸ばし運動など
(2)イスから立ち上がり:両手を胸に当てたままイスからゆっくり立ち上がる運動など
*体操の際には、声を出して回数を数えたりしましょう。
呼吸を止めないことが大切です。
また、レビー小体型認知症の運動療法に最適な、寝ながら行えるストレッチもあります。
(1) 新聞紙などを丸めて50~60cmの棒を作る(固すぎないように)
(2) (1)を芯にしてバスタオルなどを巻く(厚手のタオルなら新聞紙の芯は不要)
(3)仰向けに寝て、棒を背骨の下に縦に置く
(4) 両腕を広げるように動かすと肩や胸のストレッチになる
レビー小体型認知症の運動療法は、身体と脳の両方に効果があると考えられます。
理学療法士による専門的な運動ばかりでなく、家庭でできるストレッチや筋力運動にも効果があります。
レビー小体型認知症のご本人だけでなく、家族や介護者も一緒に行いリフレッシュしましょう。