レビー小体型認知症の常同行動について
レビー小体型認知症には、常同行動のような症状があります。
レビー小体型認知症の常同行動と思われる症状は、自分の意志とは関係なく起こります。
では、レビー小体型認知症の常同行動にはどんな原因や症状、対処法があるのでしょうか?
今回は、レビー小体型認知症の常同行動についてお伝えします。
レビー小体型認知症の常同行動の症状と原因
レビー小体型認知症の常同行動には、どのようなものがあるでしょうか?
まず、「常同行動」とは、同じような行為や行動を繰り返すことです。
医学的見地での認知症の常同行動は、以下のような症状を指します。
- 決まった時間に散歩に出かける
- 決まったコースをたどる
- 散歩中に決まった行為をする(公園の草花を盗ってくる、店の品物を勝手に持ってくるなど、反社会的行為もある)
- 同じものしか食べない
これらは、前頭側頭型認知症に特徴的な症状です。
レビー小体型認知症で常同行動と思われるものには、「ジスキネジア」があります。
ジスキネジアとは「錐体外路(すいたいがいろ)」という神経の伝達ルートの障害で、自分の意志とは関係なく起こる身体の症状です。
レビー小体型認知症の常同行動(ジスキネジア)の症状
- 舌打ちを繰り返す
- 舌を出したり引込めたりする
- 口をモグモグと動かす
- 唇をすぼめて尖らせる
- 指の曲げ伸ばしを繰り返す
- ドアノブをひねる様な腕の動きを繰り返す
- 目を開けようとするが開かずに眉間にしわが寄る
レビー小体型認知症の常同行動(ジスキネジア)は、抗パーキンソン病薬などの副作用で発症します。
軽度のジスキネジアは見過ごされがちですが、放置しておくと食事が出来なくなるなどの問題になります。
レビー小体型認知症の常同行動の対策と注意点
レビー小体型認知症の常同行動(ジスキネジア)が見られた場合には、早期に医師に相談しましょう。
家族や介護者では、ジスキネジアなのか振るえなのかの判別が難しい場合もあるでしょう。
そのような時には、ビデオ(動画)撮影などすると良いでしょう。
レビー小体型認知症の人は、薬剤に過敏症があり副作用が出やすくなります。
睡眠剤や夜間の異常行動の治療として、抗精神薬が処方される場合もあるでしょう。
抗精神薬の副作用でも常同行動(ジスキネジア)が起こります。
他にも、関節リウマチや潰瘍性大腸炎の治療薬、吐き気止めや慢性胃炎の治療薬でも、常同行動(ジスキネジア)が起こります。
レビー小体型認知症で、内服薬が増えたり変更してから常同行動(ジスキネジア)が見られた場合には、速やかに医師に相談して薬を変更・減量・休止する必要があります。
レビー小体型認知症の常同行動(ジスキネジア)は、内服薬の副作用で発症・悪化する危険性があります。
介護者や家族で症状の判別が難しい場合は、ビデオ(動画)撮影して医師に相談するとよいでしょう。