レビー小体型認知症の作話について
レビー小体型認知症には、作話(さくわ)という症状があります。
「作話」は、文字的には作り話(つくりばなし)と書きますが、ウソではありません。
なぜなら、レビー小体型認知症の作話は、多くは幻覚によって起こるからです。
今回は、レビー小体型認知症の作話についてお伝えします。
レビー小体型認知症の作話の原因
レビー小体型認知症の作話の原因についてご説明しましょう。
まず、レビー小体型認知症は、とてもリアルな幻覚があります。
幻覚の中でも、幻視や錯視(さくし)を見るケースが多く報告されています。
レビー小体型認知症に幻視や錯視が多いのは、早期から脳の後頭葉という部位の機能低下が起こるためと考えられています。
脳の後頭葉は、目から入った情報を「映像として認識」する働きをします。
レビー小体型認知症では、後頭葉が誤った認識をするために「間違った映像」が認識されます。
しかし、レビー小体型認知症の人には「見えている物」なので、それを話すと「作話」になってしまうというワケです。
レビー小体型認知症の作話には、幻視や錯視に妄想が加わる場合もあります。
自分の妻の近くに「男性の幻視」を見て「浮気をしている」と思い込む、レビー小体型認知症の人の嫉妬妄想の作話などがあります。
レビー小体型認知症の作話の対策と注意点
レビー小体型認知症の作話では、幻視や錯視(さくし)を予防する対策をしてみましょう。
レビー小体型認知症の作話の対策
レビー小体型認知症の幻視や錯視は、薄暗い場所などで起こりやすくなります。
室内の照明は、明るめのものにするとよいでしょう。
衣服を吊るしておくと、それを人と見間違える錯視を起こしやすくなります。
衣服や背の高い電気スタンドなど、人と錯視しそうなものは片付けましょう。
レビー小体型認知症の幻覚や錯視からくる作話は、本人にとっては現実と感じられています。
いきなり否定すると、興奮して暴言や暴力につながる可能性があります。
まずは話を聞きましょう。
レビー小体型認知症は、記憶力や記銘力の低下は遅い傾向にあります。
レビー小体型認知症の人の作話を、全面的に肯定して約束などをしてしまうと、それを覚えている可能性があります。
約束したことが実行されなければ、レビー小体型認知症の人と介護者や周囲の人との関係がこじれてしまう可能性もあります。
作話を肯定したことが妄想につながり、レビー小体型認知症の人が危険な行動や社会的に問題となる行動をする可能性もあるので、注意が必要です。
レビー小体型認知症の作話は、幻覚や錯視から起こる可能性があります。
レビー小体型認知症の作話は、いきなり否定してはいけません。
また、作話だからといって、全面的に肯定することも避けなければいけません。
話を聞き、レビー小体型認知症の人が安心できるように対応しましょう。