レビー小体型認知症の見当識障害について
レビー小体型認知症では、見当識障害という症状があります。
一般の方は、見当識と言われてもちょっとピンと来ないという方もいらっしゃるでしょう。
見当識障害については、この後、詳しくご説明します。
レビー小体型認知症の見当識障害は、覚醒状態の変動や幻覚によって起こる場合があります。
今回は、レビー小体型認知症の「見当識障害」についてお伝えします。
レビー小体型認知症の見当識障害の症状と原因
レビー小体型認知症の見当識障害とは、どんなことを指すのでしょうか?
「見当識」とは、今が「いつ」で、ここが「どこ」かという認識、そして、「自分と他人との関係」などの認識のことです。
つまり、見当識障害とは、いつ、どこ、だれ、というような内容が認識できなくなるということです。
レビー小体型認知症の見当識障害は、覚醒状態の変動や幻覚によって起こりやすくなります。
たとえば、レビー小体型認知症で覚醒状態が悪い時には、入院中なのに「これから仕事に行く」などと言ったりします。
初めて目撃した人は、かなり驚かれるようです。
また、レビー小体型認知症で幻覚がある時には、何もない空間を指して「今ゲームをしているのよ」などと話します。
レビー小体型認知症の見当識障害の対策と注意点
レビー小体型認知症の人は、時に見当識障害を自覚している場合があります。
覚醒状態が悪い時に話したことを覚えていて、「さっきは思い違いをしていた」などと話す場合もあります。
また、レビー小体型認知症で幻覚が出ている時の見当識障害は、とてもリアルなので思い込みが激しくなります。
いずれにしても、レビー小体型認知症の見当識障害では、すぐに否定したりバカにするような態度をとってはいけません。
また、全面的に肯定するように対応することも避けましょう。
レビー小体型認知症では、記憶力・記銘力が低下していない場合もあります。
見当識障害の時の話を、うかつに肯定してしまうと、介護者や周囲の人との関係が悪化してしまう可能性もあります。
ボーっとしている、体の動きが悪い時の見当識障害は、レビー小体型認知症の人の覚醒状態が悪い可能性があります。
時間を置いて覚醒状態が良くなったら、レビー小体型認知症の人の話をよく聞いてみましょう。
幻覚と思い込みによる見当識障害が考えられる場合は、否定せずに話を聞いてみましょう。
一通りレビー小体型認知症の人の話しを聞いて、「どうしたいのか」をたずねてみてください。
以外と「今の状態でよい」と答えることがあります。
「何かをして欲しい」という内容なら、「後で確認しておきます」などの対応でも、納得してくれるでしょう。
レビー小体型認知症の見当識障害は、覚醒状態の変動や幻覚による思い込みから起こる場合があります。
否定したりバカにした態度では、レビー小体型認知症の人を興奮させたり怒らせてしまいます。
レビー小体型認知症の人の話を一通り聞いた後で、要望などを聞いてみましょう。