認知症の予防と遊びについて
認知症の予防と遊びについてご説明して行きましょう。
まず、動物の中で「遊び」をするのは、霊長類や人間など知能が発達した種です。
遊びとは、生きるためには直接関係がない行為で、指示されたり訓練のためにしたりするものではありません。
また、仕事のように、何かの目的を達成するための手段でもありません。
意外に思われるかもしれませんが、遊びをしている時には、高度な集中と精神の解放がされています。
そのため、認知症の予防の観点からも、遊びはとても大切なのです。
今回は、認知症の予防と遊びについて説明します。
認知症を予防する遊び
認知症の予防効果が期待できる遊びの代表的なものは、チェス・将棋・オセロ(リバーシ)などのボードゲームです。
これらは、勝つためには何手も先を読まなければいけないので、とても頭をつかう遊びです。
海外の研究では、ボードゲームをよくやっている人は、認知症の発症リスクが減るという報告もあります。
ご存知のように、マージャンも頭を使う遊びです。
こちらは4人必要なので、コミュニケーションをとる量が増えることも、認知症予防につながります。
レクリエーションとして、賭けをしない健康マージャンを取り入れている老人施設もあります。
NHKでは、「けん玉が認知症予防に効果がある」という番組がありました。
認知症を予防する遊びで活発になる前頭前野について
難しい技に挑戦するときには、脳の「前頭前野」という場所が活発に働くことが分かっています。
前頭前野とは、物事を理論的に考えたり新しい発想をしたりする場所です。
実は、けん玉に慣れてくると、今度は「前頭前野の活動」が低下します。
これは悪いことではなく、神経が集中している時の脳のようすで、手や身体を動かすために必要な部分だけが働いている証拠です。
けん玉で集中した後は、他の場面でも集中しやすくなることが分かっています。
遊びの最大の要素は、「楽しい」ということです。
その人が楽しいと思わないと「遊び」にはならず、脳も活性化しないということを合わせて覚えておきましょう。