認知症の基準とは何か?ということについて
世の中にはさまざまな病気がありますが、同じ病気にかかっていても、症状が軽い人と重い人がいますよね。
実は、その点については認知症も同じです。
認知症の症状にも、病気が軽いか進行しているかを判断する基準があります。
今回は、認知症の基準にはどのようなものがあるのかについて説明します。
認知症のレベル基準になるテスト
認知症のテストというと、「長谷川式認知症テスト(HDS-R)」が有名ですが、世界基準では「MMSE(ミニメンタルステート検査)」があります。
医療機関によっては、HDS-RとMMSEの両方を行って進行度を見る場合もあります。
MMSEの点数(30点満点)と判断基準は以下の通りです。
- 27~30点:認知症の疑い無し
- 22~26点:軽度認知機能障害の疑いあり
- 21点以下:認知症の疑いが強い
MMSEは、認知症の世界基準なので、認知症の研究や治療薬の効果を測る際にも使われます。
介護保険の調査に使われる「認知症高齢者の日常生活自立度」について
介護保険の調査などで使われるものに、「認知症高齢者の日常生活自立度」があります。
こちらは認知症により、どの程度生活に支障があるかを表したもので、軽い順からランクⅠ・Ⅱ・Ⅱa・Ⅱb・Ⅲ・Ⅲa・Ⅲb・Ⅳ・Mがあります。
認知症の無い人は自立です。
認知症は、MMSEやMRI画像などで病状の進行が見られても、日常生活や介護する上でどのくらい困難かは、比例しない場合があるのです。
MMSEやHDS-Rは点数を見るだけでなく、何ができて何が答えられないかという内容も見ます。
それにより、何を支援すればよいかの指標になります。
点数に一喜一憂するのではなく、出来ることを確認するものとしても使いましょう。