認知症を予防するために歯を大切にしよう!
あなたは、きちんと歯磨きをしていますか?
虫歯や歯周病で歯を失うと、認知症になりやすくなることが分かっています。
逆に、いつもよく噛んで食事をしている人は、「脳の大脳皮質の運動野が活性化している」という報告があります。
他にも、歯の本数が少ない人ほど、脳の容積が少なくなっているという研究結果もあります。
脳に良い食事を摂るためにも、何でもよく噛めることが必要です。
今回は、認知症の予防と歯や咀嚼(そしゃく)の関係をご説明します。
歯・咀嚼(そしゃく)と認知症の関係
東北大学の医学部と歯学部による合同調査によると、認知症のない高齢者は、平均14.9本の自分の歯が残っていました。
ところが、認知症の疑いのある高齢者では、平均9.4しか自分の歯が残っていませんでした。
同じ調査対象者について「MRI検査」を行ったところ、自分の歯が少ない高齢者ほど、脳の「海馬」付近と「前頭葉」などの容積が少ないという結果が出ました。
神奈川歯科大学の山本准教授は、65歳以上の健康な4,425人について4年間の追跡調査をしました。
その結果、自分の歯が少なく、また入れ歯も使っていない人は、20本以上自分の歯が残っている人に比べて、1.85倍多く認知症になっていることが分かったのです。
自分の歯を残し認知症を予防するには
自分の歯を残して認知症を予防するためには、口の中と歯の手入れが大切です。
日頃のブラッシングや歯石の除去で、歯周病を予防しましょう。
入れ歯になってしまったら、歯肉のやせを抑えて、いつも入れ歯がフィットするようにしましょう。
そして、とにかく、しっかりと噛むことが重要です。
柔らかい食事ばかりでなく、噛みごたえのあるものを食べましょう。
ガムを噛むことも、脳に刺激を与える・唾液の分泌を促して口の中をきれいにするという効果があります。
認知症になった場合でも、歯周病を治療したり入れ歯を合わせてよく噛めるようにしたりすると、認知症の進行を防げる可能性があります。