認知症に効くツボはある?
認知症に効くツボというのは存在するのでしょうか?
東洋医学は、西洋医学とは異なる考え方で身体の病気(不調)を治します。
身体を森に例えると、病気になった木を見つけてその木を治療するのが「西洋医学」の考え方です。
東洋医学では、森全体を見て病気(不調)を治そうとします。
認知症の人に東洋医学のツボ指圧療法を行ったところ、「徘徊や暴力・暴言が少なくなった」という報告があります。
今回は、認知症とツボについてお伝えします。
東洋医学の考え方
東洋医学では、身体の不調は、「陰」と「陽」のバランスが崩れたことによるものと考えます。
「陰陽」は、寒いと暖かい、柔らかいと硬い、上半身と下半身、お腹と背中などの1対となるものが、どちらかに偏ったことが不調の原因と考えます。
東洋医学には、「五行」という考え方もあります。
「五行」は、東西南北と中央、胆のう・小腸・胃・大腸・膀胱など5つの要素に、それぞれを強めたり補完したりする働きがあると考え、そのサイクルが乱れると不調になるという考えです。
東洋医学での胆のうや小腸は、解剖学での胆のうそのものとは少し違うとらえ方をします。
東洋医学の治療方法は、主に2つです。
- 漢方薬による治療・・・木の根や茎など生薬を使って治す
- 鍼灸とツボ指圧による治療・・・身体の中の「気の流れ」「血の流れ」の道を刺激する物理療法
認知症に効くツボとは?
東洋医学のツボの場所は、西洋医学の解剖学でリンパ管や神経の走行に沿う部分が多く、そこを刺激することでリンパの流れがよくなったり、神経を刺激したりできると考えられます。
「百会」は頭の頂点にあるツボで、脳内の血行をよくします。
「四神聡」は百会の前後左右にあるツボで、精神を落ち着かせたり自律神経のバランスを整えたりします。
手には、「神門」「内関」という精神の安定にかかわるツボがあります。
足には、「湧泉」「三陰交」という、脳を活性化したり身体の冷えを解消したりして、身体のエネルギーを引き出すツボがあります。
認知症の人にツボ指圧をする場合は、痛みが無い程度から始めてもらいましょう。
痛みが強いと、認知症の人が治療を嫌がってしまうかもしれません。