認知症に気づくキッカケとは?
認知症の原因となる脳細胞の変性は、いつから始まるかわかりません。
そのため、いつ認知症が発症するか分からないのが現状です。
では、認知症に気づくキッカケとなるのは、どのような症状があるのでしょうか?
また、認知症が疑われる症状に気づいたら、どのように対処したらよいのでしょうか?
今回は、そんな認知症に気づくキッカケについてお伝えします。
認知症に気づくキッカケとなる症状はナニ?
家族や身近な人が認知症に気づくキッカケとなる症状は、日常の些細な出来事です。
「公益社団法人 認知症の人と家族の会」の協力による調査結果から、その症状を見てみましょう。
認知症に気づくキッカケとなった症状
【回答者数465人 複数回答あり】
- 忘れ物、物忘れ、置き忘れが頻繁(74.6%)
- 時間や日にちが分からない(52.9%)
- 今まで出来ていた仕事や家事が出来なくなった(46.7%)
- クレジットカードや銀行通帳の取り扱いが出来なくなった
- 服薬がきちんとできなくなった
- ふさぎ込む、億劫がりいやがる
- 同じ話を何度も繰り返す
- 同じものを毎日買ってくる
- 電話を何度もかける
- 「物を盗まれた」などの妄想がでた
- 幻覚や幻聴がある
- 怒りっぽくなる
- 気候に合った服を選ぶことができない
- 入浴しても頭・髪を洗わない
- 一人で衣服を着られない
- 外出して迷う、警察に保護されるなど
- 靴ひも、ネクタイが結べなくなった
参照:認知症の診断と治療に関するアンケート調査
認知症の症状に気づいた時の対処法や注意点は?
認知症に気づくキッカケがあったら、早期に物忘れ外来などの認知症専門医を受診して欲しいと思います。
しかし、せっかく認知症に気づくキッカケがあっても、以下の理由が受診を遅らせているとも報告しています。
参照:認知症の診断と治療に関するアンケート調査
65歳以上の場合
- 年齢による変化だと思っていた
- 本人が病院に行きたがらなかった
- 本人に受診を言い出せなかった
64歳以下の場合
- 本人が病院に行きたがらなかった
- 年齢による変化だと思っていた
- 本人に受診を言い出せなかった
- そのうち治るだろうと思っていた
- どの医療機関(診療科)を受診すればよいか分からなかった
- 精神科や物忘れ外来の受診に抵抗があった
これらのことから、本人や家族などが「認知症を否定したい気持ち」「認知症になったらどうしたらよいのだろう」などの、認知症に対する不安があると考えられます。
認知症に気づくキッカケの症状があったら、本人や家族だけで悩まずに信頼できる医師やケアマネージャーなど専門家に相談しましょう。
多くの人に「認知症は、病気で誰にでも起こる可能性がある」「認知症になっても、工夫や介護で穏やかに生活することができる」ということを知って欲しいと思います。
そうすれば、認知症に気づくキッカケがあったら早期に受診し、必要な援助を受けながら、その人らしく生活することができると思うからです。