認知症の「ケアパス」って何のこと?
認知症の「ケアパス」と言う言葉をご存知でしょうか?
高齢者人口の増加に伴い、認知症を患う人の割合も増えている現状です。
自分や近親者が認知症になったら、どうしたらよいのだろうと不安になる方も多いのではないでしょうか?
そのような不安に対して、「認知症になっても、住み慣れた地域でくらすための目安を示したもの」が「ケアパス」です。
今回は、認知症の「ケアパス」についてお伝えします。
認知症の「ケアパス」は、厚生労働省の政策?
認知症の「ケアパス」は、厚生労働省の認知症に対する政策の1つです。
厚生労働省では、「認知症の人は、精神病院や施設を利用せざるを得ない」という考え方を改めました。
「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れたの良い環境で暮らし続けることができる社会」の実現を目指す、としています。
「ケアパス」は、認知症の状態(症状)に合わせた生活の目安、自治体の相談窓口、利用できる医療機関や施設を分かりやすく記したパンフレットです。
自治体によっては、「認知症ガイドブック」「認知症あんしんガイド」という名称で作られています。
ケアパスは、市町村役所・地域包括支援センター・保健センターなど、高齢者福祉などに関わりのある場所で配布されています。
市町村のホームページなどにも、掲載されています。
認知症の「ケアパス」の使い方
認知症のケアパスは自治体によって異なりますが、おおむね次のような内容が記載されています。
- 認知症とはどのような病気か
- 認知症の症状の例
- 各自治体の認知症症状がある高齢者の推移や状況
- 認知症の進行に伴う症状や状態
- 認知症の本人・家族の気持ちや心がまえ
- 認知症の進行度に合わせた相談窓口・利用できる機関(施設)の名称や場所
- 認知症を疑う場合の医療機関の受診方法や医療機関名
- 認知症の予防方法など
認知症のケアパスは、認知症を知らない人にも分かりやすいガイドブックです。
ざっと読み進めるだけでも、認知症が疑われたらどこに相談すればよいか、認知症の症状や状態が進行したらどこに・どのように相談したらよいかがわかります。
相談したい地域包括センターや医療機関の場所・連絡先も明記されているので、迷うことも少ないでしょう。
認知症は誰にでもかかる可能性のある病気です。
認知症を恐れるばかりではなく、積極的に認知症について情報を得ることをおすすめします。
ご自分の自治体では、どのようなケアパスが作られているか見てみましょう。