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認知症の人が入院すると悪化するって本当なの?

認知症の人が入院すると、認知症そのものが悪化してしまうと思っている方が、いらっしゃるようです。

 

たとえば、認知症の人が風邪をこじらせたり、思わぬケガをしたりすることもあるでしょう。

 

それによって、入院しなければならない場合もありますね。

 

そして、認知症の人が入院すると、入院前とは様子がガラリと変わってしまう場合があります。

 

その様子に、認知症が悪化したと心配する方(ご家族など)がいらっしゃるのです。

 

では、実際のところ、入院すると、認知症は悪化してしまうものなのでしょうか?

 

今回は、認知症の人が入院すると、認知症が悪化したように見えることなどについてお伝えします。

認知症の人が入院すると悪化するという噂の真相

認知症の人が入院すると、入院前には無かった奇異な言動や、場にそぐわない言動が見られる場合があります。

 

そのためにご心配される方がいるわけですね。

 

ただし、それは、認知症そのものが悪化したのではなく、「認知症の症状」が悪化していると考えられます。

 

例えば、もともと脳卒中(脳梗塞や脳出血など)で脳血管性認知症を患っていた方が、新たに脳卒中を起こして入院した場合は、認知症そのものが悪化したと考えて差し支えありません。

 

しかし、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症を患っている方の場合は、認知症そのものが入院によって悪化するということは考えられません。

 

例えば、アルツハイマー型認知症は、脳の細胞にアミロイドβというタンパク質が蓄積することによって起こります。

 

アミロイドβが蓄積すると、脳の細胞は機能しなくなってしまい認知症を起こします。

 

アミロイドβの蓄積はとてもゆっくりで、認知症を発症するまでに10年~20年かかるともいわれます。

 

つまり、データから考えても、入院したからといって、アミロイドβの蓄積が早まるということはありません。

認知症の人が入院で悪化してしまった場合の対処法

では、なぜ認知症の人が入院すると、入院前には無かったような奇異な言動や場にそぐわない言動があり悪化したように見えるのでしょうか?

 

それは、入院という環境の変化や、自分の体調の変化が理解できなかったり、どのように行動すればよいか判断できなかったりするためです。

 

認知症の人が入院によって混乱している場合は、ゆっくりと丁寧に状況を説明してあげましょう。

 

興奮が強いときには、不安を抑える薬などが必要な場合もあります。

 

また、点滴を勝手に抜いてしまうなどによって、認知症の人がケガをする危険性があると判断されたときには、一時的に行動を抑制しなければならない場合もあります。

 

認知症の人の体調が改善してくれば、混乱も落ち着くことが多いので、医師や看護師に相談しながら乗り切りましょう。

 

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症が、入院によって進行が早まり悪化することはありません。

 

しかし、入院によって認知症の人の混乱が強く、激しい言動が見られる場合があります。

 

医師や看護師と相談しながら、体調の回復を待ちましょう。

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