認知症の症状を改善する編み物について
認知症の予防には、「マルチタスク」の作業が有効です。
マルチタスクとは、2つ以上の行動を同時に行うことです。
例えば、英単語を覚えるためには、単語を見る・発音する・歩くということを同時に行うなどです。
編み物も、見る・指を動かす・編み目を数えるなどのマルチタスクが必要なので、認知症の予防や改善に有効と考えられています。
今回は、認知症の症状を改善する「編み物」についてお伝えします。
認知症の人の困った症状を改善させた編み物
ある施設で、作業療法として「編み物」を取り入れたところ、訓練を拒否していた認知症の人が、自発的に参加するようになったという報告があります。
施設に入所中のAさん(女性・90歳代)は、計算問題などの訓練には拒否的でした。
他の入所者との会話も少なく、作業療法中には、他の入所者をからかうなどの行為がありました。
そこで、Aさんに今までの生活の様子や趣味を聞いたところ、編み物の経験があることがわかり、作業療法に編み物を取り入れることにしたのです。
すると、最初は他の人の作業を見ているだけでしたが、自分から毛糸に手を伸ばし編み物をするようになりました。
さらに、作業を続けるうちに、手順を説明しなくても編み物ができるようになり、編む速度も上がっていったのです。
認知症で編み物をしてもらった後の結果は?
Aさんが編み物の作業療法を始める前の「長谷川式認知症テスト」は13点でした。
ところが、3ヶ月後のテスト結果は22点に改善しました。
グループで作業を行っていたところ、他の入所者を褒めるようになるなど、社会性にも変化が見られたのです。
認知症に効果が見られた「編み物」には、うつ症状を改善させる効果があるという研究結果もあります。
また、編み物には作品を作り上げるという目的もあり、達成感が得られるという効果もあります。
あなた(またはご家族)も、認知症の予防に、編み物で簡単な作品作りからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。