認知症の症状を改善する作業について
作業というと仕事やこなすものというイメージがあり、認知症の改善に関係が無いように思えますね。
延々と続く作業はイヤになってしまいますが、一定の作業を終えると「達成感」があるのも事実です。
実は、この達成感が、認知症の症状の改善効果に期待できます。
今回は、認知症の症状を改善する作業や作業療法について説明します。
認知症の症状を改善する作業と作業療法
認知症は、以前「子供に返る状態」と誤解された時期がありましたが、これは言い得て妙な部分があります。
子供は生まれてから、ハイハイする・座る・立つ・歩く・言葉が話せるなどできることが増えて行きますが、認知症になると「自然と」1人で出来ることが減ると思われていました。
この出来なくなるということが、認知症の人のプライドを傷つけて、不安・暴言・介護に抵抗するといった認知症の周辺症状につながる場合があります。
目的や意味を持った活動(作業)をすることにより、活動(作業)をしたことがその人の役割につながります。
役割があるということは、認知症の人の存在意義を認めることになるのです。
認知症の作業療法はどのようなことをするのか?
認知症に有効な作業療法というと難しそうですが、実際の作業はそう難しいものではありません。
例えば家事は、行う意味があり終われば感謝されるので、よい作業です。
料理の時の野菜の下ごしらえや洗濯物をたたむという作業を、認知症の人と一緒にやってみましょう。
認知症の人がいつも世話をされる側と感じなくて済むので、プライドを取り戻し不安感が少なくなるでしょう。
家事などの日常の作業を、認知症の症状を改善する作業にするためには、その人の性格や今までの生活背景に配慮する必要もあります。
また、作業が終わった時にしっかりと感謝の気持ちを伝えることも、効果を上げるために必要でしょう。