認知症の遊びリテ―ションについて
認知症のための「遊びリテ―ション」という言葉を、聞き慣れない人もいらっしゃると思います。
遊びリテ―ションとは、理学療法士で生活とリハビリ研究所を主宰する三好春樹氏が提唱した言葉で、遊びとリハビリテ―ションを合わせた造語です。
リハビリテーションと言えば、「辛いもの・がんばるもの」といったイメージを持ってしまいますが、その概念を覆されますね。
今回は、認知症と遊びリテ―ションについて説明します。
認知症のリハビリに繋がる遊びリテ―ション
認知症のリハビリに繋がると言われる「遊びリテ―ション」とは、どんなものなのかについてご説明しましょう。
まず、認知症の人は意欲の低下がみられますから、自分から楽しくなるような時間を作ることは困難です。
そうすると、行動範囲や活動が少なくなり、身体の動きも悪くなります。
畑仕事などができる認知症の人でも、他人との交流が減ると脳への刺激は格段に減少します。
身体への刺激と脳への刺激を両方とも行うのが、認知症のリハビリにつながる遊びリテ―ションです。
遊びリテ―ションは、身体を動かすことでリハビリテーションになり、遊びの要素を取り入れることでレクリエーションにもなっているのです。
ちなみに、レクリエーションとは、ただ楽しければよいというわけではありません。
実は、体力向上・緊張からの解放・気晴らしや気分の高揚などの機能と安全性を考慮した活動なのです。
レクリエーションにも、「福祉レクリエーション」という分野があり、認知症に対する遊びリテ―ションと同様の効果をねらい実施されています。
認知症の遊びリテ―ションとは何をするの?
では、認知症のリハビリにつながる遊びリテーションとは、具体的にはどのようなことを行うのでしょうか?
たとえば、折り紙やぬりえのように一人で遊ぶ一人遊びもあれば、物送りゲームや風船バレーボールのように多人数で行う遊びもあります。
認知症のために行う遊びリテーションは、ひとりで行う遊びでも、離れた場所で黙々と行うのではなく、担当者やインストラクターが参加者に声をかけて参加者同士の交流を促します。
リハビリテーションの場合は「訓練」であるために、ときには忍耐が必要になります。
しかし、遊びリテ―ションは、参加する人も企画・担当する人も一緒に楽しんで元気になれる活動といえます。