認知症の人に役立つロボットについて
ホンダのアシモやソフトバンクのペッパーなど、産業用だけでなく日常生活にも役立つロボットが開発されていますね。
介護の世界にも、ロボットを活用しようという研究や取り組みは盛んです。
今回は、認知症の訓練や介護に役立つロボットについて説明しましょう。
認知症の人は感情が不安定になったり、周囲に対する関心が低くなったりします。
他人には関心を示さないような人でも動物には関心を示すという場合があり、そのようなときにはアニマルセラピーが有効です。
しかし、介護施設などに犬や猫を連れてくればよいというものではありません。
訓練されたセラピードッグはまだ身近にはいませんし、犬や猫の毛にアレルギーを持つ人がいるなど、衛生面での心配もあります。
そこで開発されたのが、「メンタルコミットロボット:PARO」です。
認知症の人の介護と癒しを助けるロボット パロとパルロ
PARO(パロ)はアザラシ型のロボットで、首・前足・後ろ足・まぶたが動き、本物のアザラシの赤ちゃんのような声で鳴きます。
モデルはタテゴトアザラシの赤ちゃんで、ふわふわの人工羽毛で被われているので触り心地も良さそうです。
パロは、自分の名前を覚えたり、撫でられると嬉しそうな鳴き声を出したり、乱暴に扱われると嫌がったりします。
また、高齢者施設のレクリエーションをサポートしてくれる、「パルロ」というヒト型のロボットもいます。
こちらは会話が可能で、自由に動く手足を活かして、体操・歌・クイズなど介護職員に代わってレクリエーションを取りしきってくれます。
認知症の人の中にはアザラシ型のパロに全く興味を持たない人もいて、ロボットが全ての人の癒しになれるワケではありません。
介護職員や利用者家族には、介護をロボットにさせるのは反対という意見もあります。
しかし、様々な分野の人が認知症や介護について、研究や実証実験をしてくれることは、これから増える高齢者や認知症患者にとって役立つことでしょう。