認知症に音楽療法が活用されている?
認知症の治療に、「音楽」が活用されているということをご存知でしょうか?
コミュニケーションには、「言葉」が大きな役割を持ちますね。
しかし、国や地域によって違いますので、理解に時間がかかったり時には誤解が生じたりします。
その点、音楽は世界共通です。
もちろん、音楽にも地域性や文化が色濃く反映されますが、誤解を招くことは少ないでしょう。
そんな音楽は、言葉を使ったコミュニケーションが難しい認知症の人にも通じるコミュニケーションツールと言えるかもしれません。
今回は、認知症の人の治療としても有効な「音楽療法」について説明します。
認知症の音楽療法とは?
認知症に効果的とされる音楽療法とは、どんなものなのでしょうか?
「音楽療法とは、単に音楽を聴くだけではありません。」
と言うのは、アメリカで認定音楽療法士として活躍された佐藤由美子氏です。
佐藤氏によれば、日本における音楽療法の認識度が低いのは、
- 日本で音楽療法の定義がされていないこと
- 民間資格であること
- 療法士のスキルの差が大きいこと
・・・が原因と指摘しています。
認知症の現場に浸透するにあたっても、まだまだ課題がたくさんあると言えるでしょう。
日本でも、複数の団体が音楽療法についての研究や活動を行っていましたが、2001年に「日本音楽療法学会」が発足して、国家資格への働きかけを行っています。
認知症の音楽療法の効果について
認知症の人に対する音楽療法の効果としては、以下のことが期待できます。
- リクラゼーション
- 食欲を増す
- 安眠できる
- 笑顔が増える
認知症の現場における音楽療法は、受動的音楽療法と能動的音楽療法の2つに分けられます。
受動的音楽療法は、BGMとして音楽を聴くことがあります。
能動的音楽療法は、音楽に合わせて歌う・カスタネットなど簡単な楽器を演奏する・踊るなどがあります。
前出の佐藤氏によれば、音楽療法の効果を得たいならば、音楽なら何でもよいというワケではなく、認知症の人の生活背景や体験に基づき選曲することが大切とのことです。
セルフケアとして行うならば、それほど難しく考える必要は無く、認知症の人の好む音楽を選ぶとよいとも話されています。