認知症はマッサージで困った症状を改善できるって本当?
認知症の困った症状がマッサージで改善できるという話を聞いたことはありませんか?
認知症の人に限らず、疲れた時にマッサージに行く方は、多いことと思います。
マッサージすると、固まった筋肉のコリをほぐし血行が良くなりますね。
マッサージには、癒しの効果もあるとされます。
そして、認知症の人にも、マッサージが有効との報告があります。
今回は、認知症の人にマッサージをすることの効果や方法についてお伝えします。
認知症にマッサージが有効な理由は?
認知症のマッサージが有効と言われる理由についてお伝えします。
マッサージは「タッチセラピー」「タッチケア」などとも呼ばれます。
古くは「手当て」とも言われますね。
ケガや傷の「手当て」の語源は、人の「手」で処置することから来ています。
マッサージやタッチセラピーを行うと「オキシトシン」というホルモンが分泌されることが関係しています。
オキシトシンは、乳汁の分泌を促したり、子宮を収縮させる作用があるホルモンです。
金沢大学の東田陽博教授(子どものこころの発達障害センター)は、自閉症の子どもとオキシトシンの関係を研究しています。
オキシトシンについて
<東田教授の研究より>
・オキシトシンを投与された重度の自閉症児の例では、名前を呼ばれたら振り返るなどの変化が見られた
(重度の自閉症児は、聞こえているが名前を呼ばれても返事をしないなどの、社会性の障害が見られる)
・虐待を受けた母親では、血液中のオキシトシンの量が少ない傾向にある
「オキシトシン」が「愛情ホルモン」「幸せホルモン」などと呼ばれるゆえんです。
認知症の人に適度なマッサージを行うと、愛情ホルモンのオキシトシンが増えます。
その結果、認知症の人の不安からくる「徘徊」や「興奮しやすい」「暴力的になる」といった攻撃性が落ち着くと考えられます。
認知症の人も落ち着くマッサージの方法と注意点
認知症の人にマッサージを行う場合の、方法と注意点をお伝えしましょう。
認知症の症状に効果的なマッサージの方法
- うつ伏せ寝やテーブルにもたれるなど、楽な姿勢をしてもらう
- 行う人の両手を背中につけて、ゆっくりなでる
- 背中全体をなでる
なで方
- のの字のように(背中の中心から「の」の字を書くように)
- ハート形のように(腰のあたりから背骨に沿って上に、その後両サイドにそって腰にもどる)
- 窓ふきのように(腰のあたりからぐるぐると背骨にそって上にむかう)
注意点
- 認知症の人が嫌がる時には、無理に行わない
- ゆっくりと優しく10分程度
- 「さする」でも「押す」でもなく、適度な圧力で
マッサージは、愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンの分泌を促します。
認知症の人の徘徊や攻撃性の改善にも、マッサージが有効です。
認知症の人にマッサージを行う場合、リラックスした状態で背中全体をなでると効果的です。